beacon

連勝ストップも、前を向く横浜FCの八角「課題は明確」

このエントリーをはてなブックマークに追加
[6.13 J2第19節 横浜FC 0-1 大分 ニッパ球]

 チームの連勝記録は6で止まった。10分にFWカイオが放った強烈なシュートを皮切りに、14本のシュートを放った横浜FCだが、最後まで1点が遠かった。7試合ぶりの無得点に終わり、7試合ぶりの敗戦を喫した。それでも「勝って勝ち点3を得るよりも、負けて勝ち点ゼロの方が、得るモノは大きかったかもしれないので、そこはポジティブに受け取ろうかなと思っています」と話す山口素弘監督を筆頭に、横浜FCに悲壮感はなかった。

「試合内容もやっているサッカーも悪くない。90分のうちに、自分たちの時間を長くすることもできている。最後のところでこじ開けかけているので、最後の精度を高めるしかない」とMF武岡優斗も、下を向くことなく課題を口にした。

 横浜FCは立ち上がりこそ思うようにボールが回らずに、後手を踏む場面もあった。だが、武岡の言葉どおり、時間の経過とともに修正し、ほとんどの時間で試合の主導権を握っていた。これまで苦手としてきた3-4-2-1を基本布陣とする相手に対しても、前線を流動的に動く武岡を中心とした攻撃から決定機をつくっている。

 優勢に進めながらも、結果が伴わなかった。それでも指揮官が「ポジティブに考える」られるのには、理由がある。この試合、2CBと連動して相手の攻撃の基準点となったFW森島康仁からボールを奪い、前線に鋭いクサビのパスを通したMF八角剛史の言葉が、山口監督の言葉を裏付けた。

「武岡が相手にケアされ始めているなと感じました。(武岡が)ポジションチェンジしてから、チャンスができるようになりました。そうなると、逆に右が手薄になって(杉山)新にボールが出たときに攻撃が手薄になったりもしていた。次の段階のこじ開け方をチームとしてつくっていくことが大事だと思う」

 勝利すれば、課題は見えにくくなる。だが、敗戦は課題を浮き彫りにする。そして、今の横浜FCには、課題を受け止めて克服していく強さがある。

「昨年までの連敗とは違いますね」と八角は断言する。

「自分の中でも(敗戦を)ポジティブに受け止められていますし、何より課題がはっきり見えています。1シーズンを戦いながら、積み重ねられているなという実感があります。今も、早く次の試合をやりたいくらいですからね。栃木も守って来るから、そこをどうやってこじ開けていくか」

 連勝記録は6で止まったが、横浜FCの歩みは止まらない。「こういう試合こそ、後ろはゼロで守らないといけなかった」(ペ・スンジン)、「一発のカウンターをケアしようと話していたのですが、後半唯一のチャンスでやられた。次の試合が大事だし、崩れては意味がない」(森本良)。それぞれが課題を胸に、次節の栃木戦に臨む。

(取材・文 河合拓)

TOP