beacon

香川の五輪招集は見送り、原委員長「香川はA代表に専念」

このエントリーをはてなブックマークに追加

 日本サッカー協会は14日、今夏のロンドン五輪に出場するU-23日本代表の予備登録メンバー35人を発表した。注目されたMF香川真司について原博実技術委員長は「23歳以下の選手として当然、ここに入ってくる」と前置きしたうえで、故障明けとなった過密日程の1シーズンを戦い終えたばかりであること、マンチェスター・ユナイテッドへの移籍が秒読み段階であること、A代表でも中心選手としてW杯アジア最終予選を戦っていることなどを理由に、招集を見送ったことを明らかにした。

「(昨年1月の)アジア杯でケガをして、昨シーズンの最初は負傷明けで苦しんだけど、やっと1シーズンをフルにやれた。ましてA代表の中心選手として活躍してくれている。しかも、世界有数のビッグクラブに移籍するだろう。休みのない状況が彼の将来にとっていいのか。W杯アジア最終予選のスケジュールも見て、メンバーから外して、香川にはA代表に専念してもらって、香川に次ぐ選手がこの中から出てくることに期待することにした」

 FIFAは3月の理事会で、ロンドン五輪に招集された23歳以下の選手についてクラブ側に派遣を義務化する決定を下した。そのため日本協会が香川を五輪メンバーに選出した場合、拘束力が発生し、原則としてクラブは派遣しなければならない。しかし、新シーズン直前の大事な時期であること、9月にもW杯アジア最終予選・イラク戦を控えていることなどを考慮し、クラブとA代表に専念させることになった。

 原委員長によると、香川とも直接、何度か話し合いの場を持ったという。そのうえで香川抜きの予備登録リスト35人を、FIFAへの登録期限だった今月8日までに提出。12日のW杯アジア最終予選・オーストラリア戦後、本人にも予備登録に入れなかったことを伝えた。

 一方、オーバーエイジ枠のDF吉田麻也(VVV)以外にも、DF酒井高徳(シュツットガルト)、MF宇佐美貴史(ホッフェンハイム)、MF高木善朗(ユトレヒト)、FW大津祐樹(ボルシアMG)、FW指宿洋史(セビージャ・アトレティコ)、FW宮市亮(アーセナル)という23歳以下の欧州組を選出。また、7月1日付でニュルンベルクに完全移籍することが発表されているMF清武弘嗣(C大阪)、同じくハノーファー移籍で合意したDF酒井宏樹(柏)も招集され、吉田を含めると欧州組は計9人となった。

 五輪代表招集歴のない宮市の選出について原委員長は「五輪代表には呼んでないが、A代表には入っている。最終的に(18人の登録メンバーに入れるか)は五輪のスタッフがどう判断するかだが、持っているポテンシャルはある」と説明。来季はひとまずボルトンからレンタル元のアーセナルに復帰し、プレシーズンの練習に参加することが決まっており、「昨日、本人とも話したが、今月は休んで、7月上旬にチーム(アーセナル)に合流すると言っていた」そうで、7月2日に発表される18人の登録メンバーに選ばれれば、どのタイミングで五輪代表に合流するかクラブ側と調整することになりそうだ。

▼五輪予備登録メンバー35人はコチラ

(取材・文 西山紘平)

▼関連リンク
ロンドン五輪特集ページ

TOP