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守備陣テコ入れのオーバーエイジ、徳永と林がサプライズ選出

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 日本サッカー協会は14日、今夏のロンドン五輪に出場するU-23日本代表の予備登録メンバー35人を発表した。注目のオーバーエイジ枠はGK林彰洋(清水)、DF徳永悠平(F東京)、DF吉田麻也(VVV)の3人。原博実技術委員長は「日本サッカー全体の課題とも言えるかもしれないが、守備陣、特にCBはJリーグで出ている選手が少ないし、経験が少ない。逆に中盤から前はこの中からだれに絞るかも大変な作業だと思う」と、3つのオーバーエイジ枠をDFとGKで使うことになった経緯を説明した。

 A代表でも主力として活躍している吉田はともかく、徳永、林という人選には驚きもある。原委員長も3人の中で「だれとは言えないが、驚いていた選手もいた。『僕でいいのかな』と思った選手もいる」と明かす。それでも現場の考えを伝え、また関塚隆監督とも直接話してもらい、指揮官から「チームに必要だ」という言葉をかけられたという。

 原委員長は徳永について、GK権田修一(F東京)とチームメイトとしてプレーしているメリットを挙げ、「CB、SB、ボランチと、何があっても後ろなら対応できる」と守備のオールマイティーとして期待。「若い選手ともうまくやっていける」と、28歳と比較的五輪世代に近い年齢も選考の基準にあったことを明かした。

 5月のトゥーロン国際大会では権田が不在だったとはいえ、3試合で7失点を喫し、守備の不安を露呈した。守備面の立て直しは急務で、ボランチでオーバーエイジ枠を採用する手もあったが、徳永が中盤もカバーできると判断し、3つの枠をすべて守備陣に使った。

 林については「もともと力があって、我々も期待していた。海外に行ってケガをして、出場機会が少なかったが、清水に加入した今季はJリーグのパフォーマンスを見ても、かなり上がってきている」と指摘。「五輪代表では権田がレギュラーを務めているが、他の2人(安藤駿介、増田卓也)はJリーグで出場機会がない。(権田に)もし何かあったとき、若手のGKの中で権田と競争できて、試合の経験値もあるということで彼を入れた」と、25歳の林に権田と正GKを争う存在として期待を寄せた。

 徳永は04年のアテネ五輪にも選出され、グループリーグ2試合に先発。林に五輪出場歴はないが、07年にカナダで開催れたU-20W杯に出場し、守護神として16強入りに貢献した。

▼五輪予備登録メンバー35人はコチラ

(取材・文 西山紘平)

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