beacon

[総体]プレミアリーグ勢の流通経済大柏、「今年こそ」日本一へまず千葉初戦突破

このエントリーをはてなブックマークに追加

[6.16 全国高校総体千葉県予選決勝T1回戦 流通経済大柏2-0千葉明徳 流通経済大柏G]

 平成24年度全国高校総合体育大会「2012北信越かがやき総体」サッカー競技(長野)千葉県予選は16日、決勝トーナメントが開幕。1回戦8試合が行われ、昨年の全国4強・流通経済大柏は千葉明徳に2-0で勝ち、中央学院と戦う準々決勝へ進出した。

 全国リーグのプレミアリーグイーストでJユース勢を連破するなど2位につける流経大柏が日本一へ向けてスタートを切った。昨年は第1回のプレミアリーグイーストで高校勢最上位の5位。高校チームを代表する強豪はその経験を活かして頂点を狙いに行ったが、総体は全国準決勝、選手権は県決勝で敗退してしまった。

 それだけに今年はプレミア勢の格、実力の高さを証明したいところ。ゲーム主将のCB児玉夏樹(3年)も「Jユースといっぱいやっている。強さを見せたいですね」と口にした。日本一へのスタートとなる一戦は先週に右足剥離骨折の負傷を負ったCB橋本直哉(3年)が不在だったが、試合開始直後の3分に左クロスをMF小林大地(3年)がダイビングヘッドで押し込み先制。児玉が「初戦ということで硬さはあったと思うけれど、落ち着いていけた」というように、MF穂積諒(3年)中心としたカウンターを狙う千葉明徳はMF鷲崎翔太やMF熊谷俊志(ともに3年)らがミドルシュートへ持ち込んでいたが、流経大柏は守備面で大きな差を示すと、PAに相手を入れることなく快勝した。

 ただ、課題もあった。本田裕一郎監督は「ボールを奪えないし、与えてしまう」と攻守両面ともに納得していなかったが、特に攻撃に怖さがなかった。前半8分にMF原島拓海(3年)が左サイドから放った左足シュートや24分に小林が放った左足シュートなどがゴールを襲う場面や、局面をショートパスで崩す上手さはあったものの、スリッピーなピッチでミスを多発し、クロスに対して複数の選手がゴール前へ飛び込んでくるような迫力のある攻撃も少なかった。プレミアリーグでのJユース勢との戦いではボールを支配されてもカウンターで相手を沈めてきたが、この日は逆に引いて戦う相手を攻めあぐね、相手GK山田大輔(3年)の好守もあって後半30分まで2点目を奪うことができなかった。

 それでも前線に交代出場の152cmFW森永卓(2年)とダブルボランチの一角として先発した185cmMF桜井将司(3年)を並べた後半半ば以降はインテリジェンスの高いプレーを見せる森永とボールの収まる桜井中心に攻撃の精度とテンポが上がり、32分には前線で相手にプレッシャーをかけた桜井のインターセプトから交代出場のMF秋山陽介(2年)が右足シュートを決めて試合を決定付けた。

 まだまだ課題も残る流経大柏だが、実力は間違いなく全国トップクラス。この日が公式戦デビュー戦だった桜井ら150人を越える部員の激しいポジション争いと全国リーグの経験を活かして今年こそ日本一を勝ち取る。

[写真]前半3分、流通経済大柏のMF小林(中央)が先制ゴール

(取材・文 吉田太郎)
▼関連リンク
【特設ページ】高校総体2012

TOP