beacon

東京Vが千葉とのJ2首位決戦制す、今季初の4連勝で首位奪取

このエントリーをはてなブックマークに追加
[6.17 J2第20節 東京V2-1千葉 味スタ]

 東京Vが首位奪取!! J2第20節は17日、各地で11試合を行い、味の素スタジアムでは2位東京ヴェルディ対首位ジェフユナイテッド千葉の首位攻防戦が行われた。東京Vは前半12分、FW杉本健勇のゴールで先制すると、後半27分にはFW阿部拓馬がPKで3戦連発となる追加点。千葉も後半43分に途中出場のFWオーロイが今季初ゴールを決めて1点を返したが、東京Vが2-1で逃げ切り勝ち。今季初の4連勝を飾ると、千葉を勝ち点1差で上回り、今季初となる単独首位に立った。

 3連勝中の東京Vは前節・岐阜戦(4-1)と同じ先発メンバー。システムは4-4-2で、前線はロンドン五輪予備登録メンバーに入った杉本健とFW阿部匠馬が2トップを組んだ。
 2連勝で今季初の単独首位に立った千葉は前節・鳥取戦(3-1)から先発2人を変更した。DF武田英二郎に代わってDF渡邊圭二が3月17日の横浜FC戦(3-0)以来、17試合ぶりに先発。ボランチではMF伊藤大介に代わってMF佐藤健太郎が2試合ぶりに先発した。
[スタメン&布陣はコチラ]

 勝ち点2差の首位攻防戦。立ち上がりから細かくファウルを取るパラグアイ人レフェリーのアントニオ・アリアス主審の傾向をつかもうと、両チームが手探り状態の静かな立ち上がりは前半12分、セットプレーから均衡が破れた。東京VはMF西紀寛の右CKに杉本健が打点の高いヘディングで叩き付け、杉本健の3試合ぶりとなるゴールで先制に成功した。

 いきなり出はなをくじかれた千葉は早めに同点に追いつきたいが、なかなか決定機をつくれない。前半21分、FW藤田祥史からのパスを受けたFW米倉恒貴がシュートを狙うもDFがブロック。同26分にはMF兵働昭弘が遠めから左足ミドルを放ったが、わずかにゴール左へ外れた。

 ホールディングの反則を厳しく取るアリアス主審のジャッジに選手がなかなか慣れず、プレーが細かく途切れるなど試合はこう着状態に入る。千葉は後半36分、MF佐藤勇人が右サイドに展開し、MF田中佑昌が鋭いクロスボールを入れるが、DFがカット。互いになかなか流れの中からゴール前で決定的なチャンスを迎えることなく、前半は1-0のまま東京Vの1点リードで折り返した。

 後半に入ると、試合は徐々に激しさを増す。東京Vは後半1分、ドリブルでPA内へ仕掛けた杉本健がヒールキックで戻し、MF飯尾一慶が狙うが、DFが足を伸ばしてカット。千葉は同3分、田中から縦パスを受けた米倉が右サイドから中に切れ込み、左足を振り抜いたが、シュートはゴール上に外れた。

 東京Vは後半9分にも決定機を迎える。相手CKのカウンターからDF森勇介が右サイドを独走。ファーサイドへのクロスを飯尾が折り返し、MF梶川諒太が左足で狙うが、シュートはミートせず、ゴール右へそれた。

 1点ビハインドの千葉は後半11分、先に動く。佐藤健に代えて伊藤を投入。何とか流れを変えたいが、攻撃に移ったところでのミスが多く、東京V守備陣を崩せない。東京Vは後半25分、西に代えてMF小林祐希を投入。小林はそのまま中盤の右サイドに入った。

 すると後半27分、東京Vはロングフィードを杉本健が頭で落としたボールに阿部が反応。PAぎりぎりのところで渡邊に倒され、PKを獲得した。これを阿部が自らゴール右隅に沈め、2-0。阿部の3戦連発4点目となるゴールで東京Vが貴重な追加点を奪った。

 千葉は直後に田中に代えてMF深井正樹をピッチに送る。後半34分には深井が左足ミドルを狙うもゴール右へ。東京Vは後半36分、飯尾に代えて古巣戦となるFW巻誠一郎を投入し、阿部が左サイドハーフにポジションを下げた。

 千葉は後半39分、渡邊に代えて204cmのオーロイを投入し、最後のカードを切る。3バックにシステムも変更して反撃に出た。東京Vは後半41分、右サイドをオーバーラップした森のクロスに杉本健が頭で合わせるが、惜しくもゴールポストを直撃。すると同43分、千葉はオーロイが豪快な右足ミドルを叩き込み、1点を返した。

 オーロイの昨年7月3日富山戦(2-1)以来となる今季初ゴールで勢い付く千葉だが、時すでに遅かった。終盤の怒涛の反撃も東京Vに跳ね返され、そのまま1-2で敗戦。3試合ぶりの黒星を喫し、わずか1節で首位の座を明け渡した。

(取材・文 西山紘平)

TOP