beacon

[総体]「オール3年で意地を見せなさい」流通経済大柏が逆転で意地の全国切符獲得!:千葉

このエントリーをはてなブックマークに追加

[6.23 全国高校総体千葉県予選準決勝 流通経済大柏2-1柏日体 東総]

 平成24年度全国高校総合体育大会「2012北信越かがやき総体」サッカー競技(長野)千葉県予選準決勝が23日、千葉県総合スポーツセンター東総運動場で開催され、第1試合では昨年全国4強の流通経済大柏がMF平賀裕貴(3年)の2試合連続となる決勝ゴールによって柏日体に2-1で勝利。10年連続10回目の全国総体出場を決めた。

 3年生の意地がもたらした10年連続の全国切符だった。FW森永卓やMF小泉慶ら2年生にも注目選手を多数擁する流経大柏だが、本田裕一郎監督は「オール3年で意地を見せなさい」と全国総体出場のかかった準決勝の登録20名に全て3年生を起用。選ばれたメンバーは控え選手たちの前で決意表明して決戦のピッチに立った。

 だが、先制したのは柏日体だった。前半7分、左サイドからFW池田圭太(3年)が縦に切れ込むと、ニアサイドのFW片桐飛翔(3年)へラストパス。片桐の右足シュートはDFに詰められて右へ流れたが、こぼれ球に右サイドから飛び込んだMF川村勇貴(3年)が右足ダイレクトで先制ゴールを押し込んだ。

 反撃を試みる流経大柏だが、ボールサイドに人数をかけて守る柏日体の厳しいディフェンスに苦戦。球際でも強さを発揮する相手の前にシュートまで持ち込むことができなかった。それでも「ビハインドになる場合もあるよ」と指揮官に注意されていた流経大柏は落ち着いていた。そして2年生は徹底したポゼッション、3年生はダイナミックなサイド攻撃と2つの顔を持つチームは3年生の特長を活かした攻撃で試合をひっくり返した。まずは22分、10番MF小林大地(3年)のサイドチェンジを起点にSB原隆生(3年)がMF原島拓海(3年)へつなぐと、最後は左クロスをフリーで走りこんだFW大久雄士(3年)がダイビングヘッドでゴールへと叩き込んだ。

 単調な攻撃が続いていた中、小林の「狙っていた」という幅を使った揺さぶりを同点ゴールへ結びつけた流経大柏は一気に勝ち越しに成功する。30分、今度は左サイドの原島が一発で逆サイドへ展開すると、2分前に投入されたばかりのFW土井智樹(3年)が抜群のスピードで右サイドを打開。このラストパスをニアサイドへ詰めた平賀が「結果にこだわっていた。初戦はベンチ外だったし、自分はポジションを取れていない。『アイツを出したら点を取れる』と思われたい」と右足で合わせると、DFに当たってコースの代わったボールはそのままゴールへと吸い込まれた。

 後半から2選手を入れ替えた柏日体は、交代出場の10番MF田中圭介(3年)や主将のMF柳橋一翔(3年)、技術のある右SB山田優(3年)がチャンスメークしようとする。ただ、FKを獲得こそするものの、それをシュートにまで持ち込むことができない。後半10分にはCKから流経大柏CB児玉夏樹(3年)に決定的なヘディングシュートを放たれながらもDFがゴールライン上でスーパークリア。後半37分にはGK坂田大樹(3年)のフィードで抜け出した平賀の至近距離からのヘディングシュートをGK椿涼太(3年)がビッグセーブで弾き返すなど、1点差のまま食らいついたが、後半CBからアンカーのポジションへ移った溝渕雄志(3年)や緒方海(3年)と児玉の両CBら流経大柏の堅い守りに完全に攻撃を封じられ、後半はシュートを1本も放つことができずに敗退した。

 追加点を奪うことはできなかったが、流経大柏は小林とMF武田将平(3年)のキープ力を活かし、後半運動量の落ちた柏日体に主導権を渡さずノルマを達成。ゲーム主将の児玉は「先輩達がずっと(連続出場を)続けてきている。ボクらが止めてしまったら、それに泥を塗ることになるので、そこを守れたことが良かったと思います」とホッとした表情だった。全国大会の目標はもちろん、日本一。「目標は全国制覇。自分たちの見て欲しいところは元気の良さだったり、激しいプレス。自分たちは元気が特長なので元気のあるところを見てもらいたい」。どこよりも熾烈なポジション争いを勝ち抜いたメンバーで臨む全国大会。長野で必ず覇権をもぎ獲る。

(取材・文 吉田太郎)
▼関連リンク
【特設ページ】高校総体2012

TOP