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OA加えた五輪代表が始動、右膝故障の吉田はNZ戦欠場

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 男子五輪代表が始動した。U-23日本代表は8日、都内で合宿をスタート。オーバーエイジが加わっての初練習となったが、右膝故障からの復帰を目指すDF吉田麻也(VVV)は11日に東京・国立競技場で行われるニュージーランドとの壮行試合を欠場することになった。関塚隆監督はニュージーランド戦について「(吉田は)出しません。本人にも伝えている」と明言。8日のW杯アジア最終予選・ヨルダン戦で右膝内側側副靭帯を損傷し、今もまだリハビリ途中ということもあり、無理はさせない決断を下した。

 合宿初日となった8日の練習は「今日はリカバリーで、強度からいってもそんなに負荷がかからないということでチームに入って参加してもらった」(関塚監督)とフルメニューをこなした。「チームも思ったより明るくて、みんなでワイワイする感じだったので、それはよかった」とチームの印象を語った吉田は自分自身のコンディションについても「よくなっているし、ちょっとずつ全体練習に合流できるようになってきている。感覚も、体のキレも出てきている」と順調な回復ぶりをアピールした。

 それでも、ここで無理をして悪化させれば元も子もない。「チームに合流して気持ちも高ぶってきているけど、焦らずにやりたい」と五輪本大会に照準を合わせる。とはいうものの、連係面を考えれば、無駄にできる時間はない。ニュージーランド戦が終われば、五輪までに残された実戦機会は渡英後のベラルーシ戦(18日)、メキシコ戦(21日)の2試合のみ。「そこは出るつもり」とベラルーシ戦での実戦復帰を目指すが、「フルに出るかどうかは、あっちに行ってみてからメディカルスタッフと相談したい」という状況だ。

 それだけにこの日の練習では合流初日にもかかわらず、積極的に声を出し、チームメイトにさまざまな要求も出した。「自分がやってほしいことを伝えているだけ。ボランチとの連係は大事だし、C大阪の2人とは密にコミュニケーションを取らないといけない。先に伝えておかないと、試合で自分が苦しくなる。やりやすい守備ができるように、自分のやりたいサッカー、自分のやりたい守備を伝えていかないといけない」。そう話す吉田に対し、指揮官も「ラインコントロールだったりインターセプトだったり、リーダーになってプレーしてくれた」と、早くもその存在の大きさを認める。

 オーバーエイジ枠で臨む2度目の五輪。3戦全敗に終わった4年前の北京五輪の悔しさを晴らすには、これ以上の舞台はない。「北京のときは個人的にもスタメン落ちをしたし、チームとしても歯が立たなかったというより、自分たちの力を出し切れなかった。自分たちの力を出し切って歯が立たないならまだしも、力を出し切れなかったことが歯がゆかった」。同じ轍を踏まないためにも当時の経験をチームに伝え、4年前のリベンジを果たすつもりだ。

(取材・文 西山紘平)

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