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[MOM192]中央大DF古賀鯨太朗(3年)_攻撃精神旺盛のSB、前回王者撃破の2発

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2012年度第36回総理大臣杯全日本大学トーナメント
[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.10 総理大臣杯2回戦 中央大3-1大阪体育大 長居]

 今年からチーム事情で左SBを務めるDFが8強進出を懸けた全国2回戦で2得点の大暴れだ。中央大DF古賀鯨太朗(3年=大津高)は前半32分、MF田仲智紀(4年=浦和ユース)の右CKへ走りこむと競った際にDFに当たったか、先制ゴールに。「(多分)オウンゴールです。ラッキーですね」と振り返った一撃でチームを乗せると1-1の後半2分には再びCKから、今度はFW安柄俊(4年=東京朝鮮高)のヘディングシュートがクロスバーに当たった跳ね返りを落ち着いてゴールへと押し込んで再びゴールを奪った。

「アイツはゴール前で何をすればいいとイメージができている」と中大の白須真介監督は説明していたが、過去2年間で関東リーグ戦2試合の出場のみだったDFが今季は関東リーグ1部開幕戦での同点ゴール、明治大戦では決勝ヘッドを決めている。そして大学進学後初の全国舞台でもその攻撃力で前回王者の大阪体育大を沈めて見せた。

 得点力だけでなく、まるでウイングのようなポジション取りから中央へ切れ込むドリブル、スルーパスに反応してPAへ飛び込んでくる動き、そしてその技術とフィジカルの強さを活かしたキープ力の高さも相手にとっては脅威。「ミツくん(六平)とかトモくん(田仲)とか近寄ってきて、ワイドの選手も近い距離で回せるんでそこは人を使って人を使って崩すイメージはできています。自分は中学時代、元々FWだったので、攻撃は好きだし、攻撃のイメージはあります」と古賀。本来左SBのDF高瀬優孝が負傷で前半戦絶望となったことで今春にCBからコンバートされた181cmSBは、CB時代にもオーバーラップを繰り返していたという旺盛な攻撃精神を新天地でも遺憾なく発揮している。

 大津高(熊本)時代は2年連続で全国総体4強を経験している古賀。「全国大会が苦手という意識はないです。上に行けばいくほど楽しい」と頼もしい。全日本大学選手権優勝8回、天皇杯も制している中央大だが、過去総理大臣杯での優勝はない。「(自分自身は)たまたま点が入ればいい」と無欲のSBは“得意の”全国舞台で攻撃力を発揮し、中大初Vへの力になる。

(取材・文 吉田太郎)
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