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徳永のアシスト、杉本のゴールも、ロスタイムの失点で関塚ジャパンは勝利できず

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[7.11 キリンチャレンジ杯 U-23日本代表1-1U-23ニュージーランド代表 国立]

 OA枠のDF徳永悠平、サプライズ招集のFW杉本健勇が、壮行試合で結果を出した。前半から多くのチャンスをつくった日本だが、得点を挙げることはできずに前半を0-0で終える。後半3分にはMF永井謙佑のシュートが左ポストを叩き、こぼれ球を拾ったMF清武弘嗣のシュートもバーの上へ。その後も、CKなどからニュージーランドゴールを脅かしたが、得点が入らない。そして迎えた後半26分、徳永がゴール約30メートルの距離から鋭いシュートを放つと、これを相手GKが弾く。ここに途中出場の杉本が詰め、こぼれ球をゴールに押し込んだ。このまま試合が終わるかと思われたが、後半ロスタイム、自陣でボールを失うと速攻から同点ゴールを許してしまう。試合はこのまま1-1で終了し、後味の悪い結果になってしまった。

 U-23日本代表は、OA枠で招集された徳永が、左SBでスタメン出場した。中盤の底にはアジア最終予選を戦ったC大阪のドイス・ボランチが並び、FW登録の永井は左SHで出場。1トップにはFW大津祐樹が入った。右ヒザを負傷しているDF吉田麻也はベンチ外となっている。
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 立ち上がり5分にはクリアーしたボールが味方に当たり、ニュージーランドにCKを与えたU-23日本代表だが、徐々にリズムをつかむ。同9分にはDF山村和也のロングボールから右サイドのMF清武につながり、PA内へスルーパス。わずかにMF東慶悟に合わなかったが、チャンスをつくった。同11分には左サイドからMF永井謙佑が折り返したボールを東がボレー。しかし、これはDFにブロックされた。

 14分にもDF酒井宏樹の折り返しを清武がダイレクトでゴール前に入れる。DFにクリアーされたボールをMF扇原貴宏が回収し、ゴールを狙ったがシュートは枠の上へ。15分にも永井からPA内に侵入した東にパスが出るが、DFにクリアーされる。同16分には大津がシュート。GKが防ぎCKを得ると、山村がヘッドで合わせたが、これも右に外れてしまう。

 前半19分には清武がドリブル突破し、DFを引き付けてから加速してきた大津にパス。大津はPA内にボールを運びシュートしたが、これもDFにブロックされた。同24分にも東からスルーパスを受けた大津がゴールを狙ったが、大津の飛び出しがオフサイドと判定される。26分にも永井がPA外からミドルシュートを打つが、枠を捉えることはできなかった。

 同27分には相手がGKにバックパスすると、大津が猛烈にチェイス。苦し紛れに蹴ったボールが、東に渡りそうになるが、ボールをコントロールできず。それでも連動した前からのプレスから高い位置でボールを奪う、チームの狙いとするプレーができた。30分には左サイドからのクロスを受けた大津が、胸トラップからのオーバーヘッドシュートでゴールを狙ったが、シュートはGKの正面に飛んだ。

 35分には永井が中央から縦に突破、シュートを放つとDFがブロックしたボールはゴールマウスに飛んだがGKがパンチングで逃れる。36分には左からのCKにフリーとなった大津が合わせたが、シュートは左に外れてしまう。

 何度も良い形をつくっていた日本だが、39分にはDF鈴木大輔のパスをカットされて速攻を受ける。MF山口螢がファウルで止め、警告を受ける。これで得たFKからMFマクグリンチーが直接ゴールを狙ったが、シュートはGK権田修一がパンチングで弾き出した。

 44分には左SB徳永からのロングボールをPA内で東が受ける。東が落としたボールを清武が左足で狙ったが、シュートは大きくクロスバーを越えて行った。結局、チャンスを生かせずに前半は0-0で折り返した。

 後半も開始直後に日本はチャンスをつくる。永井のシュートが左ポストを叩くと、跳ね返りを清武が狙ったが、ワンバウンドしたボールはゴールの上を越えて行った。後半3分には左サイドから徳永がボールを前に運ぶ。右からクロスを上げようとしたが、DFにブロックされた。5分には清武のスルーパスから大津がGKと1対1になるが、シュートは飛び出してきたGKに防がれてしまう。これで得たCKから山村がゴールを狙うが、懸命に腕を伸ばしたGKが弾き出す。

 後半10分には流れるようなパスワークを見せる。扇原が清武につなぎ、清武が縦にボールを入れる。これを受けた東のポストプレーから大津が決定的な場面を迎えたが、シュートは左に外れて行った。その直後に関塚隆監督が動く。東を下げて、サプライズ招集の杉本を送り込む。杉本を1トップに配置し、大津を2列目の中央に下げた。

 18分にも日本は警告を受けていた山口を下げて、MF村松大輔が扇原と中盤の底に入った。同20分にはニュージーランドもMFマクジョージを下げ、MFハウィーソンがピッチに入る。22分にはドリブルでボールを運んだ大津から中央の杉本にパスが出る。杉本は右の酒井宏に展開したが、クロスの精度を欠きチャンスをつくれない。さらに25分、関塚監督は永井を下げ、バックアップメンバーのMF山崎亮平を起用した。

 攻め続けた日本は26分、徳永が中央やや距離のある位置から低く鋭いシュートを放つ。これをGKが弾いたところを杉本が詰めて、日本が待望の先制点を挙げた。31分にも関塚監督は扇原を下げ、バックアップメンバーのMF米本拓司を起用した。33分にはドリブルを仕掛けた大津が倒されて、好位置でFKを得る。清武が直接ゴールを狙ったが、ボールはわずかに上外れて行った。

 34分にはニュージーランドもDFアダム・トーマスを下げ、DFティム・マイヤーズを起用。36分には清武に代えて、MF齋藤学を投入した。39分にニュージーランドは主将のDFライアン・ネルセンを下げ、FWダコタ・ルーカスを起用し、43分にもFWシェーン・スメルツを下げ、FWマルコ・ロハスを入れ、攻撃を活性させようとする。試合終了間際にはニュージーランドのCKが続いたが、無失点に抑え込む。ロスタイムには齋藤がシュートを放ったが、惜しくもゴール左に外れ、追加点は挙げられない。

 このまま試合を終えたい日本だったが、ロスタイム4分には中盤で不用意な形でボールを失うと、速攻を受ける。パスをつながれ、最後はフリーのルーカスに同点ゴールを許してしまった。結局、試合は1-1で終了。新戦力の活躍で1点を挙げたが、ロスタイムの被弾で、勝利を挙げることはできなかった。壮行試合を勝利で飾れなかった関塚ジャパンは、この試合後に一度解散し、週末のリーグ戦後に再び集合。いよいよロンドン五輪に向けて、渡英する。

(取材・文 河合拓)

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