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[MOM196]専修大FW仲川輝人(2年)_“不振帳消し”の準決勝3発

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2012年度第36回総理大臣杯全日本大学トーナメント
[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.14 総理大臣杯準決勝 専修大6-0駒澤大 金鳥スタ]

 ここと思えばまたあちら。自由自在の動き出しで相手のマークを外し、次々にゴールを陥れた。総理大臣杯の準決勝第1試合、専修大は右FW仲川輝人(2年=川崎F U-18)のハットトリックで早々に勝負を決めた。終わってみれば一昨年の覇者・駒澤大に6-0の圧勝だった。2回戦、準々決勝と延長戦の末に勝ち上がって来た専修大だが、この試合では持ち前の攻撃力をいかんなく発揮した。仲川は、その象徴だった。

「ここまでの3試合は自分のプレーができなくて、チームに迷惑をかけた。1試合目から暑くて体にキレがなく、(持ち味の)ドリブルが相手にひっかかってボールを奪われて、相手のカウンターの起点になっていた。ここまではDFラインが守ってくれて勝たせてもらってきた。だから今日の3点は、今までの分を帳消しにするゴール。チームのためにゴールできたことが嬉しい」。仲川は、ハットトリックの活躍をそう言って振り返った。

 1点目は、左サイドからゴール前へ入ったボールを、ボランチのMF河津良一(2年=作陽高)が相手をブロックしながら落としたところを蹴り込んだ。お膳立てが素晴らしかったとはいえ、逆サイドからチャンスを見逃さずにゴール前を狙った動きの賜物だった。2点目は、カウンターで左サイドを突破した左FW東大樹(2年=成立学園高)のグラウンダーのクロスにタイミングよく飛び込んだ。仲川は「あのゴールは、アイコンタクトで動き出しとパスのタイミングが良かった。自分としては1点目より2点目の方が評価できる」と手ごたえを話した。

 そして、相手が退場者を出した後半には、これぞ専大というホットラインのコンビネーションで相手の守備を切り刻んだ。右サイドでボールを持った仲川はバイタルエリアにいたトップ下の長澤和輝(3年=八千代高)へパス。すると、仲川は迷いもなくゴール前へ進入し、あうんの呼吸で出てきたワンツーのパスで相手を置き去りにしてゴールを奪った。「和輝君とよくやっているプレー。あそこは『パスを出したら(リターンを)出してくれる』ところ。信じて走ってワンツーでもらえた。あれが一番、専修らしい。サイドから崩してクロスで揺さぶってからの攻撃」と相手を手玉に取ったゴールの感触を話した仲川の表情には、自信があふれていた。

 復活した「攻撃の専修」。ファイナルへ進出して目指すのは冬夏の全国2冠だ。昨季の全日本大学サッカー選手権(通称インカレ)で初めて全国タイトルをつかんだが、その勢いのまま今季も関東リーグ1部の首位を走っており、実力は確か。連続ゴールを狙う仲川は「全力を出して90分間で勝負をつけたい。決勝も点を取って、チームのために貢献したい。最後は監督を胴上げできるように、優勝したい」と意気込んだ。ドリブル突破と神出鬼没の飛び出しを武器に、身長162cmの小柄なエースがゴールを狙う。

[写真]後半31分、専修大FW仲川が3点目のゴール

(取材・文 平野貴也)
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