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[総理大臣杯]阪南大が壮絶な攻め合い制し、11年ぶり日本一!!

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2012年度第36回総理大臣杯全日本大学トーナメント
[7.16 総理大臣杯決勝 阪南大3-1専修大 長居]

 夏の大学日本一を決める第36回総理大臣杯全日本大学サッカートーナメントの決勝戦が16日に大阪長居スタジアムで行われ、阪南大が3-1の逆転で専修大を下し、01年の第25回大会以来11年ぶり2回目の優勝を果たした。

 試合は序盤から息をつく暇のない、壮絶な攻め合いに終始。2,830人の観衆を大いに沸かせた。立ち上がりはピッチを幅広く使う専大がサイドチェンジで相手の守備を振り回して優位に立った。12分にはサイドを変えた後、左からDF萩間大樹(1年=川崎F U-18)が送ったクロスに長身FW大西佑亮(4年=鹿島ユース)が飛び込んでヘディングシュートをゴールへ押し込んだがオフサイドでノーゴールとなった。

 その後は、サイドから中央へ入って来る専大の攻撃を防ぐ阪南大がサイドからのドリブルを中心にカウンターで反撃。14分に右クロスからFW泉澤仁(3年=新潟ユース)のボレー、27分に相手GKのパンチングを拾ったDF朴賛友(2年=コヤンFC)のミドルと決定機を迎えたが決め切れず、29分にMF谷本泰基(4年=広島皆実高)が放ったシュートもポストに嫌われた。

 すると、試合のペースを奪われていた専大が、たった一度のチャンスを物にした。33分、MF長澤和輝(3年=八千代高)がミドルシュートを打つとポストを直撃。ルーズボールを拾った左FW飯田裕之(4年=津工高)が上げたクロスは相手に跳ね返されたが、MF下田北斗(3年=大清水高)が頭で押し戻し、これを受けた長澤が胸トラップから反転してボレーシュートを豪快に突き刺して先制点を奪った。

 阪南大のDF飯尾竜太朗主将(4年=神戸U-18)も「うますぎてビックリした」と目を丸くしたスーパープレーだった。しかし、阪南大は気落ちすることなく攻撃を続け、試合のペースを譲らなかった。前半のアディショナルタイム、右サイドで得たFKからレフティーのMF窪田良(3年=東京Vユース)がキック。須佐徹太郎監督が「あの場面で最高のボールを蹴った」と称賛した絶妙なクロスを朴がヘディングで合わせ、同点に追いついて前半を折り返した。

 後半、専大はMF中島健太(2年=川崎F U-18)、MF牧内慶太(4年=柏U-18)を同時に投入して流れを変えに行き、序盤にシュートチャンスを迎えたが決められなかった。後半が始まって10分ほどが過ぎると再び阪南大のペースとなり、20分にオーバーラップした右DF飯尾のクロスで泉澤がGKとの1対1を迎えたが決められず、23分にも再び飯尾のクロスからチャンスを得たが、FW工藤光輝(3年=札幌U-18)のヘディングシュートは枠をそれた。

 阪南大は「前から行かないとダメだ」という須佐監督の指示を体現していたが、連戦続きで前半はドリブル攻撃が多かったこともあり、後半は疲弊。運動量が落ちて専大にペースを握られかけた。しかし、専大も「一番歯がゆかった点は、動けなかったこと」と源平貴久監督が話した通り、体がついていかずにミスが続発。どちらにとっても理想的とは言い難い、拮抗した展開から決勝点が生まれたのは34分だった。

 阪南大は途中出場のFW河田篤秀(2年=阪南大高)が左で縦パスを受けるとドリブル。パスが相手に引っかかったが、こぼれ球を拾った窪田がゴール前へパスを送り、ファーサイドで受けたMF可児壮隆(3年=川崎F U-18)が巧妙な切り返しフェイントでGKをかわしてゴール。「(窪田)良が本当に良いボールを出してくれたので、GKが出てきているのを冷静に見て決められて良かった」(可児)という一撃が、勝負を決めた。その後は攻め急ぐ専大に対して阪南大がより効果的なカウンターを繰り広げ、39分に谷本のドリブルからスルーパスを受けた工藤が相手GKをかわしてダメ押しの3点目を奪った。最後は阪南大がFWを1人減らして中盤を厚くして相手の攻撃を跳ね返し切り、試合終了のホイッスル。地元応援団の歓声が沸く中、選手たちは渾身のガッツポーズで喜びを表現した。

 前期の関東リーグ1部首位・専大と関西リーグ首位・阪南大の見応えのある対決を制し、胴上げと祝福のウォーターシャワーを浴びた阪南大の須佐監督は「選手が本当によくやってくれた。きつかったと思うし、苦しい場面もあったが、立派に戦ってくれた」とびしょ濡れになりながら、相好を崩した。

(取材・文 平野貴也)
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