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デル・ピエロ魅せた!TEAM AS ONEが4-0でJリーグ選抜に圧勝

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[7.21 東日本大震災復興支援スペシャルマッチ JリーグTEAM AS ONE4-0Jリーグ選抜 カシマ]

 2万3760人の観衆から感謝と感激の拍手が降り注いだ。

 7月21日、カシマスタジアムで行われた「東日本大震災復興支援2012Jリーグスペシャルマッチ」。ベガルタ仙台、鹿島アントラーズと各クラブの東北出身選手で構成される「JリーグTEAM AS ONE」と「Jリーグ選抜」との対戦で、イタリアから特別ゲストとしてやってきたMFアレッサンドロ・デル・ピエロは、「TEAM AS ONE」の一員としてFW柳沢敦(仙台)、MF小笠原満男(鹿島)らとともに先発。トップ下のポジションで後半31分までプレーし、1ゴールを挙げるなど圧倒的な存在感でスタンドを沸かせた。

 いきなり魅せたのは前半4分だった。柳沢へ絶妙な浮き球のパス。昨シーズン限りでセリエA・ユベントスを退団し、移籍先が未定という状況での来日とあって、デル・ピエロ自身も「そんなに動くことはできなかった。周りの選手に助けてもらった」と謙遜するが、瞬間ごとのプレーにはスターの香りが漂っていた。

「あれは決めておきたかったシュートでした」と悔しがる柳沢。だが、前半24分には、早くも二度目の見せ場がやってきた。ゴール正面でFKのチャンスを得ると、味方の小笠原がボールを数メートル前へ移動。「ちょっと距離があったので、決めてもらいたいと思って動かしたけど、誰も文句一つ言わなかった」(小笠原)という中、デル・ピエロが蹴った直接FKはわずかに枠をとらえなかったが、スタンドのムードはさらに高揚した。

 この日の最大の見せ場は後半25分だった。DF西大伍(鹿島)のパスを受け、左足を振り抜くと、グラウンダーのシュートは見事にゴールネットを突き刺した。左45度のデルピエロゾーンとは逆の位置から蹴った左足シュート。若い原口元気(浦和)が「左右両足で正確なキックを蹴るのはすごいと思った」とうなったように、最高のシーンを自分の力で作り上げるところが世界的スターたるゆえんだ。

「ここに呼んでいただいて、参加させてもらってうれしく思っている。日本の国民の皆さんは私の近くにいる。今日はたくさんのパワーを与えることができたと思っている。早いうちにまた来たい」とデル・ピエロは言った。これに対し、TEAM AS ONEの指揮を執った手倉森誠監督は「来年も来てくれると約束しました」と言った。

 復興にはまだまだ終わりがない。だが、サッカーにはこれだけの力がある。小笠原は「皆でまたがんばろうという雰囲気が、今日の試合から感じられた。デル・ピエロという世界的に知名度のある彼が、日本のためを思ってこうやってアクションを起こしてくれた。その気持ちは確実に伝わったと思う」と心からの感謝を述べていた。

(取材・文 矢内由美子)

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