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「ずっと思い描いていた」、初の五輪で川澄が狙いどおりの先制点

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[7.25 ロンドン五輪F組 日本2-1カナダ コベントリー]

 狙いどおりの先制パンチだった。MF川澄奈穂美のひと振りが重苦しい空気を振り払った。前半33分、MF澤穂希から浮き球のパスがFW大野忍に通る。PA内でDFを背負いながらボールをキープした大野の外側から川澄が一気に走り込む。大野からのヒールパスを受けると、左サイド角度のない位置から思い切りよく右足を振り抜いた。

「大野選手にボールが入ったとき、自分が追い越せば2対1をつくれると判断できて、大野選手がいいタイミングでパスを出してくれた。中に大儀見選手、宮間選手も見えたし、クロスでも得点になったかもしれないけど、時間と流れを考えて、ゴールに打とうと思い切って足を振りました」

 ゴール右上隅に流し込む鮮やかな先制点。試合前には「0-0のまま後半までいくと、相手も『あと何分粘れば』っていう気持ちが出てくる。早い段階で得点を取ることが大事」と話していた。狙っていた先制点。得点後は飛びついてきたMF宮間あやを背負いながら「ちゃんと落とさないように(笑)」と喜びに浸った。

 自身初の五輪出場にも「夢の舞台、あこがれの舞台。ピッチに立ったときはうれしく思った。でも、これをずっと思い描いてやってきたので、緊張することなく、いつもどおりサッカーを楽しめた」と言う。平常心がもたらした値千金のゴール。この日はこれまでのFWではなく、左サイドハーフでの出場だったが、「FWに入っているときも、周りのサポートや追い越す動きがあれば、もっといいサッカーになるなと思っていた。自分がサイドハーフに入ったら、そういうプレーをしようと思っていた」と、むしろFWでの経験を生かし、先制点につなげた。

 28日の第2戦ではFIFAランキング4位のスウェーデンと対戦する(日本は3位)。グループリーグ最大のライバルは初戦で南アフリカに4-1で快勝。得失点差でF組首位の座に立った。川澄は「優勝するための6分の1の試合ではあるけど、次のスウェーデン戦の勝敗によって決勝トーナメントに行けるか行けないが決まると思う。初戦同様、大事な試合と心に留めて、しっかり勝ち点3を取りにいきたい」と誓った。

(取材・文 西山紘平)

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