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永井が劇的V弾!!U-23日本代表が連勝で3大会ぶりのベスト8進出決定

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[7.29 ロンドン五輪D組 日本1-0モロッコ ニューカッスル]

 男子五輪代表が3大会ぶりのベスト8進出!! U-23日本代表は29日、ロンドン五輪グループリーグ第2戦でU-23モロッコ代表と対戦。後半39分にFW永井謙佑が決勝点を決め、1-0で競り勝った。26日のスペイン戦(1-0)に続く2連勝で勝ち点を6に伸ばした日本はD組2位以内が確定。00年のシドニー五輪以来、3大会ぶりのグループリーグ突破を決めた。なでしこジャパンに続くグループリーグ突破決定で、男女がそろって準々決勝に進出するのは史上初となった。

 日本はスペイン戦で左足首を捻挫したDF酒井宏樹がベンチスタートとなり、代わってDF酒井高徳が五輪初先発。ポジションはそのまま右SBに入った。スペイン戦で左足首を打撲しながら決勝点を決めたFW大津祐樹は先発出場した。
 モロッコはホンジュラス戦(2-2)で退場処分を受けた左SBのベルディシュが出場停止。代わってDFヌシルが先発した。オーバーエイジのMFウシーヌ・ハルジャはボランチ、同じくFWノルディン・アムラバトは1トップで第1戦に続いて先発した。
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 開始早々、ヒヤリとさせられた。前半6分、モロッコは一発のスルーパスからアムラバトが日本の最終ラインの背後を取る。DF吉田麻也が後方からプレッシャーをかけると、PA内に入ったところでアムラバトがコントロールミス。何とかノーファウルでしのいだが、いきなりのピンチだった。

 日本は前半9分、相手陣内でMF東慶悟がMFフェトゥイにプレシャーをかけ、こぼれ球を拾ったFW永井謙佑がそのまま持ち込み、右足ミドルを放つが、GKの正面を突いた。同12分にはMF扇原貴宏のサイドチェンジからMF清武弘嗣がアーリークロス。ゴール前に永井が飛び込むが、シュートは枠を外れた。

 スペイン戦同様、永井と東のコンビで前線から追い込みたい日本だが、モロッコもそれを警戒してか、早いタイミングでロングボールを放り込み、日本のプレスをかわす。1トップのアムラバトは速さでも強さでも日本守備陣の脅威となり、徐々に最終ラインが下がり出すことで中盤にスペースを与える悪循環に陥った。

 モロッコは前半18分、右CKからDFアベルーヌがヘディングで落とすと、こぼれ球をアムラバトがシュート。これも決定的な場面だったが、ゴール前で酒井高が体を張って防いだ。日本は前半20分過ぎから永井と大津のポジションを入れ替え、大津が1トップに入る。高さもある大津がポストプレーで起点となり、攻撃の糸口を探った。

 なかなかシュートまで持ち込めずにいた日本だが、少しずつ落ち着きを取り戻す。前半26分、DF徳永悠平からパスを受けた清武が自ら右足でミドルシュート。同37分にも大津が果敢に右足ミドルを狙った。前半終了間際にはセットプレーから立て続けにチャンスを迎えるが、前半42分、扇原の右CKに合わせたDF鈴木大輔のヘディングシュートはGKがゴールライン上でキャッチ。同44分には清武の左CKからニアサイドにフリーで走り込んだ吉田が頭で捉えたが、枠を捉え切れなかった。

 0-0で折り返した後半もモロッコに押し込まれ、なかなか攻撃の形をつくれない。それでも守備陣は高い集中力でモロッコの攻撃に対応。試合はこう着状態に入った。日本は後半18分、永井が左サイドからドリブルで切れ込み、右の清武にはたく。入れ違うように清武はカットインから左足を振り抜くと、シュートはGKの手をかすめてクロスバーを直撃。さらに永井が大津とのワンツーから右足ミドルを狙うが、これは大きく浮いてしまった。

 個人技でチャンスをつくっていく日本は後半25分にも大津がドリブル突破から右足ミドル。枠を捉えた鋭いシュートだったが、これはGKの好セーブに阻まれた。このプレーで獲得した左CK。清武のクロスに再び吉田がニアで合わせたが、シュートは枠を外れた。

 日本は後半33分、大津に代えてFW齋藤学を投入し、最初のカードを切る。齋藤は左サイドに入り、永井が1トップに戻った。すると直後の34分、清武からの縦パスを永井が1タッチで落とし、一気に駆け上がってきたMF山口螢がGKとの1対1を迎えるが、右足のシュートはゴール上へ。決定機を生かせなかった。

 それでも後半39分、日本がついに均衡を破った。ハーフウェーライン付近から清武が浮き球のパスを前線に送ると、永井が快足を飛ばしてスペースに飛び出す。GKもゴールを空けて前に出てきたが、一歩早く追いつき、右足アウトサイドでダイレクトのループシュート。これが無人のゴールに吸い込まれ、1-0とリードを奪った。

 準々決勝進出を大きく手繰り寄せる先制点。後半ロスタイムには清武に代えてFW杉本健勇を投入し、逃げ切りを図る。後半47分、FWラビャドの直接FKはGK権田修一が横っ飛びでセーブ。同48分の決定機も権田、吉田が立て続けにシュートをブロック。最後まで耐え切った日本が1-0で競り勝ち、準々決勝進出を決めた。

(取材・文 西山紘平)

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