[総体]「ボクたちより強い」川崎F所属の前エース賞賛する大阪桐蔭、4発で関西勢対決制す!
[7.30 全国高校総体2回戦 大阪桐蔭 4-2 神戸科学技術 千曲市サッカー場]
平成24年度全国高校総合体育大会「2012北信越かがやき総体」サッカー競技(長野)は30日、2回戦16試合を行った。昨年8強で優勝候補の一角である大阪桐蔭(大阪1)と神戸科学技術(兵庫)とが激突した関西勢対決は、大阪桐蔭がMF白井康介(3年)の先制ゴールなど4-2で勝利。佐野日大(栃木)と対戦する3回戦(31日)進出を決めた。
8強へ進出した昨年のチームのエースで、現在所属する川崎フロンターレのオフを利用して後輩の応援に駆けつけていたFW田中淳一が「ボクたちより強いのは見てすぐ分かった。今年はチームとしてよくまとまっている」と讃えていたが、大阪桐蔭がその実力を見せ付けて16強入りを決めた。試合は序盤、前から積極的に出て行った神戸科学技術が主導権を握った。トップ下の李潤大や濱田翔平(ともに3年)と鈴木康弘(2年)の両翼がチャンスメーク。だが、2列目でゲームを落ち着かせていたMF松木政也(3年)が「今年は頑張れる子ばかり。団結力もあって強いと思う」という大阪桐蔭は、前半途中から相手のDF間へリズム良くボールを動かす攻撃に加え、ディフェンスラインの背後を狙うなど攻撃に変化をつけて相手を幻惑する。そして26分、左サイドから中央へ切れ込んだ白井が、右足シュートをゴール右隅へ突き刺すファインゴールで均衡を破った。
白井の鮮やかな一撃で勢いづいた大阪桐蔭はさらに32分、中央で楔に入った丹羽が1タッチで落とすと、これをMF西山秀祐(3年)がダイレクトでのスルーパス。右サイドからディフェンスラインの背後へ走りこんだ松木がGKとの1対1を制して2-0と突き放した。前半終了間際に左クロスから神戸科学技術FW八束宜範(3年)に決定的な形で合わされながらもGK水野竜主将(3年)の好守で阻んだ大阪桐蔭は後半、さらにラッシュをかける。
8分、MF上田侑弥(3年)からのラストパスを受けた丹羽が難なく左足で3点目のゴールを破ると、17分には白井のスルーパスで抜け出した丹羽がPKを獲得。自らキッカーを務めた丹羽のシュートは相手GK西垣内司(3年)の好守に阻まれたものの、18分に白井の縦パスでDFの背後を取った松木のゴールで4-0とした。
意地を見せたい神戸科学技術は19分に交代出場のFW久森敦史(3年)の右サイドからの折り返しを同じく交代出場のFW清水亮二朗(3年)が押し込んで追撃開始。31分には西垣内のキックを久森がディフェンスラインの背後へ落とすと、簡単に抜け出した李が決めて2-4。これ以上差を詰めることはできなかったが、応援団の声に後押しされて最後まで足を止めなかった。
優勝候補の大阪桐蔭にとって神戸科学技術との対戦はこれが今年3度目。近畿選手権決勝は2-0で勝利し、プリンスリーグ関西1部でも5-0で大勝している相手だが、それでも試合巧者の神戸科学技術には嫌なイメージがあるようで、前日対戦が決まった際に選手たちからは「怖い」という声も漏れたという。ただ永野悦次郎監督は「男やったら覚悟決めて、大阪代表として戦え!」とゲキ。これで目の覚めた選手たちはこの日、ピッチ上で自分達のサッカーをしっかりと表現した。
それでも主将の水野は「まだ甘さがある。この大会でどれだけ修正できるかが上に行くためのカギだと思います」と終盤2失点したチームを引き締める。細かいパス交換でリズムをつかみながら、前線のタレントたちの能力もいかしてゴールを陥れる大阪桐蔭。強力攻撃陣に目がいきがちだが、自分達のスタイルを出しながら、タイプの違う対戦相手の良さを消す柔軟さも兼ね備えている。課題を修正して、前評判通りの強さを今後も発揮することができるか。
永野監督は「相手の良さを消し、自分達の特長を出して、やり切るチームになってもらいたい。ピッチサイドとベンチとが一緒に計画を立てながら、ファイナルまで1試合1試合やっていけたらいい」。一戦一戦全力で戦って最後に大目標を達成すること。松木は「こういう環境でできることを感謝して、チームと関係者に恩返ししたい」。前エースも認めたチームワークの良さも武器に、大阪桐蔭は全員で日本一への階段を上る。
[写真]前半31分、大阪桐蔭MF松木がこの日1点目のゴール
(取材・文 吉田太郎)
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【特設ページ】全国高校総体2012
平成24年度全国高校総合体育大会「2012北信越かがやき総体」サッカー競技(長野)は30日、2回戦16試合を行った。昨年8強で優勝候補の一角である大阪桐蔭(大阪1)と神戸科学技術(兵庫)とが激突した関西勢対決は、大阪桐蔭がMF白井康介(3年)の先制ゴールなど4-2で勝利。佐野日大(栃木)と対戦する3回戦(31日)進出を決めた。
8強へ進出した昨年のチームのエースで、現在所属する川崎フロンターレのオフを利用して後輩の応援に駆けつけていたFW田中淳一が「ボクたちより強いのは見てすぐ分かった。今年はチームとしてよくまとまっている」と讃えていたが、大阪桐蔭がその実力を見せ付けて16強入りを決めた。試合は序盤、前から積極的に出て行った神戸科学技術が主導権を握った。トップ下の李潤大や濱田翔平(ともに3年)と鈴木康弘(2年)の両翼がチャンスメーク。だが、2列目でゲームを落ち着かせていたMF松木政也(3年)が「今年は頑張れる子ばかり。団結力もあって強いと思う」という大阪桐蔭は、前半途中から相手のDF間へリズム良くボールを動かす攻撃に加え、ディフェンスラインの背後を狙うなど攻撃に変化をつけて相手を幻惑する。そして26分、左サイドから中央へ切れ込んだ白井が、右足シュートをゴール右隅へ突き刺すファインゴールで均衡を破った。
白井の鮮やかな一撃で勢いづいた大阪桐蔭はさらに32分、中央で楔に入った丹羽が1タッチで落とすと、これをMF西山秀祐(3年)がダイレクトでのスルーパス。右サイドからディフェンスラインの背後へ走りこんだ松木がGKとの1対1を制して2-0と突き放した。前半終了間際に左クロスから神戸科学技術FW八束宜範(3年)に決定的な形で合わされながらもGK水野竜主将(3年)の好守で阻んだ大阪桐蔭は後半、さらにラッシュをかける。
8分、MF上田侑弥(3年)からのラストパスを受けた丹羽が難なく左足で3点目のゴールを破ると、17分には白井のスルーパスで抜け出した丹羽がPKを獲得。自らキッカーを務めた丹羽のシュートは相手GK西垣内司(3年)の好守に阻まれたものの、18分に白井の縦パスでDFの背後を取った松木のゴールで4-0とした。
意地を見せたい神戸科学技術は19分に交代出場のFW久森敦史(3年)の右サイドからの折り返しを同じく交代出場のFW清水亮二朗(3年)が押し込んで追撃開始。31分には西垣内のキックを久森がディフェンスラインの背後へ落とすと、簡単に抜け出した李が決めて2-4。これ以上差を詰めることはできなかったが、応援団の声に後押しされて最後まで足を止めなかった。
優勝候補の大阪桐蔭にとって神戸科学技術との対戦はこれが今年3度目。近畿選手権決勝は2-0で勝利し、プリンスリーグ関西1部でも5-0で大勝している相手だが、それでも試合巧者の神戸科学技術には嫌なイメージがあるようで、前日対戦が決まった際に選手たちからは「怖い」という声も漏れたという。ただ永野悦次郎監督は「男やったら覚悟決めて、大阪代表として戦え!」とゲキ。これで目の覚めた選手たちはこの日、ピッチ上で自分達のサッカーをしっかりと表現した。
それでも主将の水野は「まだ甘さがある。この大会でどれだけ修正できるかが上に行くためのカギだと思います」と終盤2失点したチームを引き締める。細かいパス交換でリズムをつかみながら、前線のタレントたちの能力もいかしてゴールを陥れる大阪桐蔭。強力攻撃陣に目がいきがちだが、自分達のスタイルを出しながら、タイプの違う対戦相手の良さを消す柔軟さも兼ね備えている。課題を修正して、前評判通りの強さを今後も発揮することができるか。
永野監督は「相手の良さを消し、自分達の特長を出して、やり切るチームになってもらいたい。ピッチサイドとベンチとが一緒に計画を立てながら、ファイナルまで1試合1試合やっていけたらいい」。一戦一戦全力で戦って最後に大目標を達成すること。松木は「こういう環境でできることを感謝して、チームと関係者に恩返ししたい」。前エースも認めたチームワークの良さも武器に、大阪桐蔭は全員で日本一への階段を上る。
[写真]前半31分、大阪桐蔭MF松木がこの日1点目のゴール
(取材・文 吉田太郎)
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