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[日本クラブユース選手権(U-18)]悲願の初Vへ、柏U-18が4発で広島ユース突破!

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[8.3 日本クラブユース選手権(U-18)大会準決勝 広島ユース1-4柏U-18]

 夏のクラブユース王者を決める「第36回日本クラブユース選手権(U-18)大会」は3日に三ツ沢公園陸上競技場で準決勝を行い、第2試合は柏レイソルU-18(関東5)が4-1でサンフレッチェ広島ユース(中国)を下した。

 柏は序盤から得意のボールポゼッションで広島を振り回した。アンカーの秋野央樹、2シャドーの小林祐介中川寛斗が細かいパス回しで最終ラインの押し上げを図ると、オーバーラップしたサイドバックを生かしてサイドを攻略した。

 まずは11分、右からのクロスを相手GKが弾いたところをMF平久将土が押し込んで先制。16分にはサイドをおとりに中央突破を繰り出し、FW川島章示のドリブルから中央へ絞った平久につなぎ、最後はタイミングよく相手の背後へ飛び出した中川がスライディングシュートを決めて追加点を奪った。さらに直後の17分、高い位置で相手のパスをインターセプトした秋野のスルーパスを平久が決めて3点目。防戦一方の広島を尻目に攻め続け、41分には右サイドでFW吉川修平と小林のワンツーで敵陣を切り裂き、クロスを川島が押し込んで前半だけで4点のリードに成功した。

 しかし、後半に入ると広島が持ち前の粘り腰を発揮した。広島の森山佳郎監督は「いつもの布陣だとかみ合わないのは分かっていたけど、まさかここまでやられるとは思わなかった。相手が上手かったし、うちは中途半端になってしまった。奪っても誰もパスを欲しくないような感じでつなげず、プレッシャーも行った勢いを利用されて外されてピンチになっていた。だから、途中から守備の時だけ形を(3バックから4バックに)変えた。前から行けるようになったことで流れが変わった」と、形勢逆転の理由を説明した。

 前半はボールの奪いどころを見つけられなかった広島だが、後半はハイプレスで対抗。即座にパワフルなターゲットマン大谷真史をめがけてロングボールを飛ばし、セカンドボールからの波状攻撃を繰り出した。13分には大谷のドリブル突破から最後は末廣浩暉が押し込んで1点を返し、その後も攻勢。25分過ぎには立て続けにクロスバーをたたく際どいシュートを放って、柏を脅かした。

 それでも柏は最少失点に抑え、4-1で逃げ切りに成功。立ち上がりの好機を逃さず、下平隆宏監督が「公式戦のような緊張感のあるところで、あんなにクロスを入れられることはない。良いトレーニングになった。1点は取られたけど、よくしのいだ。試合が終わった後、2人のセンターバックが得点を取った選手よりも嬉しそうにしていた」と話したように、守備陣が試合の流れを渡し切らずに耐え抜いたことで、無事に勝利を収めた。

 個の育成、チーム力の向上ともに高い評価を受ける柏だが、この大会は一昨年に準優勝、昨年はベスト4と「惜しい」が続いた大会で、まだタイトルに手が届いていない。この日は、全日本少年サッカー大会でも柏レイソルU-12が決勝進出を決めており、アカデミーのダブルタイトルがかかる。指揮官は「本当に幸せなことなので、ぜひ2つ勝ちたい」と兄弟タイトル奪取にかける意気込みを示した。翌4日に行われる決勝戦では、地元の横浜F・マリノスユース(関東3)と対戦する。

[写真]柏U-18平久は2得点の活躍
(取材・文 平野貴也)

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