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[総体]神奈川の新星が長野の夏制す!三浦学苑が歓喜の初出場初V!!

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[8.4 全国高校総体決勝 武南1-2三浦学苑 松本平広域公園総合競技場(アルウィン)]

 平成24年度全国高校総合体育大会「2012北信越かがやき総体」サッカー競技(長野)決勝が4日、松本平広域公園総合競技場で行われ、ともに初優勝を目指す武南(埼玉2)と三浦学苑(神奈川2)が激突。前半35分にMF若林大輝(3年)のゴールで勝ち越した三浦学苑が2-1で勝ち、初出場初優勝を飾った。

 神奈川から現れた新星・三浦学苑が長野の夏を駆け抜けた。今大会は神奈川県第2代表で高校選手権の出場もゼロ。神奈川でもまだ頂点に立っていないチームが自らも驚く日本一となった。優勝インタビューで「チョー、嬉しいです」と周囲を笑わせたMF栗原奨吾主将(3年)は「最初はバラバラだったけれど、一戦一戦みんなまとまった。初めてのタイトル。嬉しいです」と胸を張った。

 静岡学園(静岡)や立正大淞南(島根)といった全国クラスの強豪を破ってきた力を、6500人の観衆が集まったアルウィンでの決勝でも見せ付けた。前半9分、三浦学苑はMF木村哲太(3年)のパスで左サイドを突いたFW戸邉凱也(3年)がDFとの1対1を制すと、そのままゴールライン際までえぐって中央へ折り返す。これを右サイドから飛び込んできたMF高城翔伍がダイレクトでゴールへと押し込み、先制点を奪った。

 最前線に位置する戸邉がワイドへ開き、その突破力を活かして決定機をつくる三浦学苑は再び戸邉がDFに置き去りにし、高城がワンタッチで合わせるなど、その後も追加点を狙って攻め込んでくる。対する武南は全体的に出足が悪く、後手を踏んでいたが、ワンチャンスをものにして同点に追いついた。21分だ。MF室崎雄斗(2年)が左サイドのスペースへグラウンダーのパスを通すと、オーバーラップしたSB勝山雄月(2年)が絶妙な折り返し。これに走りこんだFW中薗優太(3年)が左足で叩くと、強烈な一撃はGKの指先を抜けてゴール左隅へと突き刺さった。

 ファインゴールで同点に追いついた武南だったが、三浦学苑もファインゴールで突き放す。前半終了間際の35分、敵陣でインターセプトした三浦学苑は、左サイドの木村が逆サイドへグラウンダーのサイドチェンジ。オーバーラップした右SB鈴木康司(2年)、高城とつなぐと最後は中央のスペースへ飛び込んできた若林が強烈な右足ミドルをゴール左隅へ突き刺した。若林は「自分たちのサッカーができれば勝てる。勝つイメージしかなかった」と語っていたが、勝ち越しゴールは敵将・大山照人監督も賞賛したスペースを逃さない高い判断力と運動量を備えたチームの持ち味が凝縮された鮮やかな一撃だった。

 全体的に攻撃的な選手が多く、勢いに乗ったら止まらない三浦学苑は2-1で迎えた後半も守りに入ることなく、攻め続ける。一方、早く追いつきたい武南は前半から大きな武器となっていた右の小池修斗(2年)、左の勝山のロングスローやサイドからの崩しで反撃。17分には右ロングスローからCB三浦柾人(3年)がヘディングシュートを放ち、27分にはFW大久保寿希也(2年)の左クロスに室崎が決定的な形で飛び込んだが、いずれもシュートは枠を外れた。

 プレッシャーの緩くなった中盤を突破される回数の多かった三浦学苑だったが、これまで対戦相手たちの前に立ちはだかってきた宮坂瑠辺見雄飛の両CBや左SB橋本直也(全て3年)らが球際でしっかりと相手に身体をぶつけて自由を奪い、ポジショニング良い守りで相手の攻撃のスピードを落とさせるなど得点を許さない。逆に正確なボールコントロールとスペース感覚の高さを活かしたカウンターから高城やMF野村徹(3年)が決定機に絡むなど、最後まで相手ゴールを脅かし続けた。

 武南は32分に右サイドで強引にマークを外したMF佐藤仁紀主将(3年)が右足ミドルを放ったが、シュートはわずかにゴール左へ外れて追いつくことができない。そして3分間のロスタイムを経て鳴り響いた試合終了のホイッスル。プレッシャーから開放された三浦ブルーのユニフォームが、歓喜の雄たけびを上げた。

「(周囲以上に)こちらがビックリしている。凄い力であると感じました」と語った枝村隼人監督は「勝ちたい気持ちが強く出たところや、選手・チームスタッフの団結、チームプレーに徹している力、ベンチの選手がすぐに出られるようなモチベーション、応援してくれる方々含めて三浦学苑の力だった」。1979年創部で現総監督の米山稔氏が横須賀の街で地道に築いてきた歴史。神奈川を制することが目標だったチームは、徐々に力をつけ、選手層が厚さを増し、そして昨年の選手権神奈川県予選決勝進出をきっかけに一気に花開いた。
 
 選手たちが驚くような技術を持っていた静岡学園との試合を「こんな上手いチームに勝ったら気持ちいいいだろうな」という通りに勝っても、中央突破が脅威だった立正大淞南に勝利して決勝進出を果たしても選手たちはどん欲に次の1勝を目指し続けた。「『こんなチャンス逃したら次はないぞ』と言われていて、みんなも逃さないように頑張ってくれた」と栗原。応援団を含めたムードの良さと勢いは最後まで衰えず、決勝でも出場19回目の名門・武南を上回った。全国的に全く無名だった神奈川の実力派がどこよりもアグレッシブで情熱的な7日間を経て、夏の全国王者となった。

(取材・文 吉田太郎)
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