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半年前に約束していたゴールパフォーマンス、吉田「やっとできてよかった」

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[8.4 ロンドン五輪準々決勝 日本3-0エジプト マンチェスター]

 DFリーダーが値千金の追加点で勝利を決定づけた。1-0の後半34分、MF清武弘嗣の右FKからニアサイドに走り込んだDF吉田麻也が体を投げ出す。豪快なダイビングヘッドで捉えたボールは相手DFに当たってコースが変わり、ゴールマウスに吸い込まれた。

「やっと決めれてよかった。これまで何回も外していたので」。思わず安堵のため息をついた。グループリーグでも何度もセットプレーから得点機はあったが、なかなか枠を捉え切れず。この日も相手に当たる運が味方した。「僕のヘディングは枠に入ってなかったと思うけど、相手に当たって……。でも取れてよかった」。待望の今大会初ゴールに白い歯をこぼした。

「何より(香川)真司より先に取れてよかった」。マンチェスター・Uの本拠地オールドトラフォードでのゴール。今季からマンチェスター・Uに移籍したMF香川真司がまだゴールどころかプレーもしていない「シアター・オブ・ドリームズ」(夢の劇場)で日本を44年ぶりの準決勝に導いた。

 得点後は自分を指差しながら体の前で両腕をぐるぐる回すパフォーマンスを披露。お笑いコンビ「タカアンドトシ」のタカのギャグ『俺だ俺だ俺だ俺だ』を真似したもので、以前、テレビ出演した際に約束していたゴールパフォーマンスだったのだという。「半年以上経っていたけど、やっとできてよかった」と、やはり安堵の笑みを浮かべた。

 本職の守備では4試合連続の無失点。いまだ失点はない。「紙一重ですよ」と言うが、CBを組むDF鈴木大輔とのコンビは一戦ごとに安定感を増している。「いつか取られる可能性はあるし、取られたときにバタバタしないように。今日みたいに2、3点取れば、1点取られても負けない。あまりそこは意識しすぎないようにしたい」。その冷静さも堅守を支えている。

 44年ぶりのベスト4を決め、次はサッカーの聖地・ウェンブリースタジアムで、史上初の決勝を懸けた大一番だ。「ここまで来たら戦術の確認はできているし、気持ちの面。根性を入れてやっていきたい」。攻守にチームを引っ張るキャプテンは「このチームではあと2回しかサッカーをできない。かみ締めてやりたい」と力を込めていた。

(取材・文 西山紘平)

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