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涙の大津「ここまで来れたのも、これ以上行けなかったのも実力」

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[8.10 ロンドン五輪3位決定戦 日本0-2韓国 カーディフ]

 最後は笑顔と決めていた。それでも、感情を抑えることはできなかった。試合終了の瞬間、頭を抱え、仰向けに倒れ込んだFW大津祐樹の目には涙が浮かんでいた。金メダルだけを目指してきた大会。その夢は準決勝で絶たれたが、「銅は金と同じって漢字で書くから」と必死に切り替え、関塚ジャパン最後の試合を勝利で締めくくるつもりだった。

「まだまだ自分が下手くそで、能力がないから勝てなかった。自分が3点でも4点目でも取れば、勝っていた。結果を出さないと勝てない。もっともっと自分が成長したいと感じた」

 ミックスゾーンでも大津の涙はまだ完全には乾いていなかった。時折鼻をすすりながら、それでもしっかりと胸を張る。「ここまで来れたのは実力だと思っている。ただ、これ以上行けなかったことも実力だと思っている」。44年ぶりのベスト4を成し遂げながら、準決勝、3位決定戦と連敗。メダルにはあと一歩のところで届かなかった。

「あとちょっとレベルを上げるために、個人個人がうまくならないといけない。世界のレベルを痛感できて、チャレンジできて、すごくいい経験になった」。世界の屈強なDF陣に対しても当たり負けしないフィジカルの強さ、攻守に駆け回る献身的なプレー、そして何よりも抜群の勝負強さを見せた決定力。ロンドン五輪が、大津のさらなる飛躍を予感させる大会だったのも間違いない。

(取材・文 西山紘平)

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