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F東京、最後の練習を終えたMF谷澤「もう一度千葉をJ1に上げたい」

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 FC東京のサポーターからも深く愛されたMF谷澤達也が、ジェフユナイテッド千葉へ完全移籍する。14日、小平で行われたF東京の練習に参加した谷澤は、冒頭に選手全員の前で挨拶し、その後は練習には加わらず、集まった多くのサポーターと別れを惜しんだ。

 この日がF東京の一員として最後となる谷澤は「結構たくさんのサポーターが集まってくれたので、嬉しかったです」と笑顔を見せた。選手たちの前では「来年、同じ舞台に立てるように頑張ってきたい」と挨拶したという。挨拶の最後には笑いが起きていたが、それはポポヴィッチ監督から「最後に何か一発やっていけ」と言われたからと明かし、「なかなかできなかった」と苦笑した。

 F東京に所属した期間は1年半。その間、クラブはJ2で圧倒的な強さを見せてJ1に昇格し、天皇杯でも優勝を飾った。濃密な時間を過ごしたが、最も印象に残っている出来事は「J2優勝も印象に残っているけれど、やっぱり天皇杯決勝ですね」と語る。「天皇杯の決勝の舞台に立てるというのは、一生に一度あるか、ないかのことなので」と谷澤は振り返った。

 今シーズンもリーグ戦で20試合に出場するなど、F東京で主力として戦っていた。J1の主力選手がシーズン中にJ2のクラブへ移籍するということは、ほとんどないこと。谷澤自身も「試合にも関われていましたし、そういった意味でもF東京でやっていきたい気持ちもありました。だから、すごく悩みましたね」と決断が難しかったと語った。

 では、なぜ移籍を決めたのか。

「千葉に行くなら今回のタイミングしかないと思いましたし、そういうことを含めて決断しました。僕がいたときに(千葉は)J2に降格して、上がれなかった。落とすだけ落としたというのが心のどこかで引っかかっていたこともありました。もう一度(千葉を)J1に上げたいという気持ちは強いですし、今年、上がらないとダメだと思います。J2は今、すごく混戦なので、これから先、連勝していくために頑張っていきたいと思います。このタイミングで行って、悪い方向に行かないように…(苦笑)。良い方向に行くように、うまくスムーズにチームに入っていきたいと思います」

 最後のファンサービスを終えた谷澤を、サポーターは大きなチャントで送り出した。来シーズンの再会を誓って、谷澤は東京を後にした。

(取材・文 河合拓)

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