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[SBSカップ]エース久保4発!U-19日本代表が0-2からの7ゴールで静岡選抜に逆転勝ち!

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[8.17 SBSカップ国際ユースサッカー U-19日本代表7-2静岡ユース 草薙陸]

 静岡県内で開催中の2012 SBSカップ国際ユースサッカーは大会2日目の17日、第1試合でU-19日本代表と静岡ユース(静岡県高校選抜)が対戦。静岡ユースがFW加賀美翔(清水ユース)の2ゴールによって2点を先取したものの、U-19日本代表はFW久保裕也(京都)の4得点などによって7-2で逆転勝ちした。2戦2勝のU-19代表は、19日の最終戦で優勝を懸けて1勝1敗の韓国と対戦する。

 試合は開始30秒にいきなり動く。左中間からPAへ飛び込んだ静岡ユースの加賀美をU-19代表GKポープ・ウィリアム(東京Vユース)が倒してPKに。これを加賀美が左隅へ決めて静岡ユースが先制した。静岡ユースはさらに7分にもカウンターから大きく開いた中央をMF渡辺隼(静岡学園高)がドリブルで駆け上がる。右サイドへ展開したボールをFW宮村緯(磐田U-18)が中央へ折り返すと、最後は飛び込んだ加賀美が右足で合わせて2-0とした。

「最初2失点して目が覚めた」。U-19代表のキャプテンマークを巻いたMF熊谷アンドリュー(横浜FM)は振り返っていたが、ここから目を覚ましたU-19代表が「倍返し」とばかりに怒涛のゴールラッシュを展開する。まずは10分、左中間のMF野津田岳人(広島ユース)から左サイドを駆け上がってきたSB佐藤和樹(名古屋)へつなぐと、そのクロスをニアサイドへ飛び込んだ久保がダイレクトで合わせて追撃ゴール。さらに18分には野津田が左中間のPAやや外でFKを獲得すると、右SB松原健(大分)が右足で直接FKを沈めて同点に追いついた。

 久保が静岡ユースについて「(3-1で勝利した)ポルトガルよりもプレッシャーは厳しかった」と評したように、静岡ユースはインターセプトから攻め返す場面もつくる。だが、半数以上がJのトップチームでの公式戦プレー経験を持つU-19代表と静岡ユースとの個々のタレント差は歴然。U-19代表は30分にも左クロスが流れたボールに追いついたMF矢島慎也(浦和)が中央へ折り返すと、久保が右足ダイレクトボレーでゴールへ叩き込んで逆転した。さらに38分にも矢島を起点としたカウンターから右サイドの松原が中央へラストパス。これを久保が右足で決めて前半だけで早くもハットトリックを達成した。

 後半も攻撃の手を緩めないU-19代表は6分、FW小野瀬康介(横浜FC)が右ポストを叩く右足シュート。直後の7分には前方に開いたスペースを見逃さなかった野津田が左足シュートを決めて5-2とする。さらに9分には別格のプレーを続けていた久保が左中間からひとりで相手DFを突き破り、左足でこの日4点目となるゴールを決めた。

 静岡ユースは試合終盤に宮村や交代出場のMF渡辺吉都(藤枝東高)が決定機を迎えたが決めきれず。逆にU-19代表はロスタイムにスピードに乗ってディフェンスラインを破った矢島が鮮やかなループシュートを決めてゴールラッシュを締めた。昨年、1-2で逆転負けした静岡ユースに大差で雪辱。ただし、点差ほど相手を圧倒していた訳でもなく、U-19代表の吉田靖監督も「点を取って勝てたことは良かったけれど、内容は物足りない。精度をもっと高めないといけない」と課題を口にしていた。

 日本はライバル・韓国との最終戦を引き分け以上で終えれば、自力で2年ぶりの優勝を決めることとなる。U-19代表は昨年のアジア1次予選で韓国に0-1で敗れており、またロンドン五輪3位決定戦で兄貴分のU-23代表が敗れたばかりだけに雪辱したいところ。韓国は現在、2012バレンシアU-20親善大会にもU-19代表を派遣しているため、今回対戦する相手は今秋のAFC U-19選手権と異なるチームになりそうだが、選手たちは勝つことに集中している。熊谷は「アジア予選で負けているんで、2回連続で負けちゃいけない相手だと思う。勝ちにいきたいです」。また久保は「(五輪では)前にゴリゴリ来ることが印象に残っている。負けたくない。(U-23代表の分も)勝ちたい」と言い切った。ライバルに勝って、11月のAFC U-19選手権突破とU-20W杯出場権獲得へ弾みをつける。

[写真]後半9分、U-19代表FW久保が左足でこの日4点目となるゴール
(取材・文 吉田太郎)

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