beacon

19分で3失点。反省を次に生かしたい守備陣

このエントリーをはてなブックマークに追加

[9.4 U-20女子W杯準決勝 日本0-3ドイツ 国立]

 いきなりの失点はあまりに痛いものだった。前半1分、ドイツの右サイドから前線へスルーパスが出た。DF木下栞(日テレ・ベレーザ)は2列目から飛び出してきたロイポルツに付こうとするが、わずかに及ばない。ロイポルツはDFラインの裏へ抜け出し、冷静にシュートを決める。

 簡単に先制点を奪われたショックか、動揺を隠せないヤングなでしこ守備陣。2度目の悪夢もそれからまもなくやってきた。前半13分、またしてもDFラインの裏を取られてしまう。

 最も警戒していたマロツァンが右足でシュート。やむなく飛び出していたGK池田咲紀子の頭上を超えるループシュートが決まり、その6分後の同19分にはセットプレーからまたしても決められた。19分で3点のビハインドは重かった。

「耐えなければいけないところで失点してしまったことで、こういう試合になってしまいました。動揺してはいけないと思ったのですが、動揺してしまった」と木下。試合後は泣き崩れ、立っていられないほど。池田も「チーム全体でフワっと試合に入ってしまった。しまりがなかった。1点取られたあとは切り替えるしかないと思ったのですが……」と唇を噛むしかなかった。

 今までに対戦したことのない強さを持つ相手だった。「こちらがボールを回しているときも、隙がなかった。ボールを動かしづらいと感じました」と池田が言うように、ドイツは判断スピードも技術も一枚上。さらには気迫もあった。

 ただ、90分を通して何もできなかったわけではない。相手のフィジカル的強さやスピードに慣れてきた後半は何度もチャンスをつくることができた。

 3位決定戦の相手はドイツに匹敵するフィジカルを持つナイジェリア。「今日の試合を教訓にしていきたい」と池田。中3日でチームを立て直し、最後に勝って締めくくるイメージを高めていってほしい。

(取材・文 矢内由美子)

▼関連リンク
U-20女子W杯2012特集ページ

TOP