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イラク戦へ選手を見極めるザック、「11人中、8人から9人は頭の中にある」

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[9.6 キリンチャレンジ杯 日本1-0UAE 東北電ス]

 テストマッチとしての意味はあった。11日のW杯アジア最終予選・イラク戦(埼玉)を見据え、「チームとしてどういう状態にあるのか、個人としての状態を見るのがこの試合の目的だった」と指摘したアルベルト・ザッケローニ監督。「こういった親善試合、テストマッチでは、良いことも出れば悪いことも出る」と振り返った。

 イラク戦が出場停止となるDF今野泰幸、DF内田篤人の代役をどうするか。右SBではA代表初先発のDF酒井宏樹が及第点のプレーを見せ、この日は左SBだったDF駒野友一も8月15日のベネズエラ戦(1-1)に続いてアシストを記録。右足首痛で欠場したDF長友佑都がイラク戦に間に合えば、駒野は右SBでもプレー可能で、右SBは酒井宏か駒野か、うれしい悩みとなりそうだ。

 ボランチでは試合勘に不安のあるMF長谷部誠が前半で交代。後半から出場したMF細貝萌も所属するレバークーゼンでは出場機会に恵まれておらず、苦しい人選を強いられる。1トップでは4試合連続先発中だったFW前田遼一に代わってFWハーフナー・マイクを6試合ぶりに先発起用し、決勝点。オールラウンドな前田か、高さが武器のハーフナーか、戦術的な選択となる。

 決め切れないのは今野の代役か。ベネズエラ戦に続いてこの日もDF伊野波雅彦が前半45分間、DF水本裕貴が後半45分間プレーした。90分通して無失点に抑え、指揮官も「2人ともよくやってくれたと思う。いくつかの場面で状況を読み切れず、うまく対応できていないところもあったが、これは2人の問題ではなく、DFライン全体の問題だと思う」と一定の評価を下した。

 ザックジャパンで2試合目の出場となった水本は「評価は第3者がすることだし、自分はできることを精一杯やらないといけない。最低限、失点ゼロに抑えたのはよかったけど、細かい課題はまだある」と貪欲に話す。DF吉田麻也とコンビを組むCBがどちらになるかは、イラク戦直前まで競争が続きそうだ。

 ザッケローニ監督はイラク戦のメンバーについて「現時点ではまだ何も決まっていない。次の試合まで何日間かあるので、そこまでに考えたい。次の試合は大切になるので、できるだけリスクのないチョイスをしたい」と説明。そのうえで「11人中、だいたい8人から9人は頭の中に決まったメンバーがいる。イラク戦は親善試合ではないので、コンディションのいい選手を使いたい」と明かした。

 この8、9人にCBが含まれているのかを聞かれると、「吉田の横でプレーする選手が8人から9人に入っているかに関しては、11人中、8人か9人が頭の中にあるとしか言えない」とかわした指揮官。ボランチ、右SB、CB。イラク戦までの4日間でメンバーの見極めは本格化する。

(取材・文 西山紘平)

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