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内容に不満の本田、「攻撃は普通って感じ」

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[9.6 キリンチャレンジ杯 日本1-0UAE 東北電ス]

 新潟入り後、無言を貫いてきたMF本田圭佑(CSKAモスクワ)が試合後、今合宿で初めて口を開いた。「結果は勝ったので、まあまあいいんじゃないですか」。1-0の結果をそう評価しながらも「内容は当然、満足いくことはない」とキッパリ。「一つひとつのプレーの質、量。戦術。攻撃は普通って感じになっちゃった」と厳しい口調で言った。

「これじゃアカンっていうのはみんな分かっている。理由は疲れなのか、なんなのか。代表はそうであってはいけない。それなら元気なときの上限を高める必要があるし、1日、2日でうまくなるわけではない。いつも言っているとおり、クラブで自分に厳しく、いかに高められるか。代表はその集合体。長い先を見越したときに今日の内容では全体的に足りない」

 11日のW杯アジア最終予選・イラク戦(埼玉)に向けての発言ではない。「今言ったことはイラク戦の準備という意味では違う。イラク戦に向けては現状でどうベストに持っていくか。100%に近いパフォーマンスをいかに出すか。その調整とコミュニケーション。短い時間でどれだけ共有できるか」。イラク戦への準備とは別次元のレベルで、本田はもっと先を見ている。W杯でいかに勝ち抜くか。常にそのことを意識して練習、試合をする必要があると本田は説く。

 この日は後半19分に交代するまで、チーム最多の6本のシュートを放った。「次の試合に向けた駆け引きは俺の中で始まっている」という本田は「今日感じたのは、ボールを持ったときに、全員、イメージが3、4m後ろだった。サイドハーフもSBもそうだし、ボランチも離れているなというのは気配で感じた」と指摘する。

「俺が(攻撃の)スタートだと思っていた。カウンターと遅攻をどう使い分けるか。(味方の上がりを)待てば(攻撃に)厚みが出る。打てるけど、待とうかなというのは考えた。そこは僕がどうストップするか。今日は相手が引いていたから打ったけど、そこの精度をどう合わせていくか」。長期的視野と短期的視野。イラク戦に向けた攻撃のイメージも本田の中では出来上がりつつある。

(取材・文 西山紘平)

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