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史上初の“兄弟対決”!柏U-18健闘も柏トップチームが貫禄の勝利

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[9.8 天皇杯2回戦 柏 3-0 柏U-18 柏]

 第92回天皇杯全日本サッカー選手権大会は8日、2回戦第1日目を各地で行い、千葉県柏市の日立柏サッカー場では史上初の“兄弟対決”となる柏レイソルと柏レイソルU-18(千葉)が激突。3-0で勝利した柏トップチームが10月10日の3回戦へ進出した。

 日本サッカー史上初の公式戦全国大会での“兄弟対決”。“夢の日立台ダービー”は柏トップチームが制した。試合開始前には“アウェー”柏U-18の選手たちが対戦相手側のゴール裏サポーターに挨拶。柏サポーターからは「夢の日立台ダービーありがとう」というメッセージが掲げられ、トップチームに対しては「プロの違いを見せつけろ」とユースチームを圧倒する戦いぶりが求められた。

 試合はその激の通りに立ち上がりからトップチームが主導権を握る。日本クラブユース選手権(U-18)大会優勝の柏U-18は、ポゼッションをさせればユース世代トップレベル。だが、MFレアンドロ・ドミンゲスやMFジョルジ・ワグネルら直近のナビスコ杯準決勝鹿島戦の先発と9名同じメンバーで臨んできた柏は、U-18チームの思惑通りに攻撃させず、立ち上がりからボールを支配した。

 局面でフィジカル、個の違いを見せつけるトップチームを前に柏U-18はなかなかボールを奪うことができない。ボールを奪っても距離を詰められて、ボールを前に進めることができなかった。

 柏は前半4分にレアンドロ・ドミンゲスが右足シュートを放つと、5分にはFW工藤壮人の右足ミドルがゴールを捉える。これは柏U-18のGK伊藤俊祐がワンハンドで弾きだしたものの14分、敵陣でボールを動かしてDFを剥がすと最後はFWネット・バイアーノのヒールパスからレアンドロ・ドミンゲスが先制ゴールを流し込んだ。

 その後もトップチームがボールを支配し続けたが、柏U-18も徐々に会場を沸かせる回数を増やしていく。19分、柏U-18は右中間でボールを受けたMF中川寛斗が反転しながらSBの背後へスルーパス。これで抜けだしたFW吉川修平のラストパスにFW木村裕が飛び込んだ。柏U-18はさらに25分、自陣左サイドからのFKでクイックリスタート。U-19日本代表MF秋野央樹主将のコントロールされたフィードで抜けだした吉川がGKと1対1になった。

 そして29分には木村がゴール正面左寄りの位置でFKを獲得。自ら右足でゴールを狙った一撃は、緩やかな弧を描いてクロスバーを叩いた。そして柏U-18は33分にもパスを10本つないで最後はFW{川島章示}}の落としから木村が決定的な右足シュート。柏U-18は中川の運動量が際立ち、序盤は球離れの悪かったパスワークも秋野と小林、中川中心に改善され、PAまでボールを進める回数を増やした。ただ、トップチームの攻撃に対応することができない。前半終了間際には相手に寄せることもできずに、左サイドからボールを動かされると、最後はレアンドロ・ドミンゲスに難なくゴールへ2点目を沈められた。

 後半開始から2選手を入れ替えた柏トップチームは2分、縦パスで抜けだしたFW澤昌克が右足シュートを叩きこんで3-0とリードを広げる。柏U-18は澤やネット・バイアーノらトップチームに再三ゴール前までボールを運ばれるが、GK伊藤俊がビッグセーブを連発。32分にはFW田中順也のループシュートをゴールラインすれすれでU-16日本代表CB中谷進之介が頭でスーパークリアするなど食い下がった。

 41分、柏U-18は秋野のパスから交代出場のMF白井永地が抜け出し、中央でフリーの中川に合わせる。試合終了間際のCKでは会場中から、健闘するU-18チームを後押しする大声援。その中で柏U-18は左CKから中央の秋野が左足シュートを放ち、ゴールエリア付近にこぼれたボールに交代出場のFW平久将土が合わせた。だが柏GK菅野孝憲がスーパーセーブ。最後までU-18チームに得点を与えなかった。試合後にはトップチームとU-18チーム全員が揃ってサポーターたちに挨拶。“夢の日立台ダービー”は3-0でトップチームが貫禄の勝利を収めた。

(取材・文 吉田太郎) 
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