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存在感光った柏U-18の158cmMF中川、感動の一戦・光景に「また鳥肌立たせたい」

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[9.8 天皇杯2回戦 柏 3-0 柏U-18 柏]

 トップチーム相手に善戦した柏レイソルU-18の中で特に光ったのが、158cmのMF中川寛斗だった。「小さくてもやれるところを見せる」とばかりに縦横無尽に走り回り、存在感を発揮。相手DFを背負ってしまうと力負けするような場面もあったが、そのクイックネスと技術で対抗し、一瞬で相手を置き去りにする動き出し、スペースへの飛び出しもトップチームを苦しめた。

 後半、運動量が落ちたチームメートに対してもその動きで鼓舞。明らかに追いつけそうにないGK、DFに対しても単騎、長い距離を走ってプレッシャーをかけるなどチームを引っ張った。「チームメートがだんだん落ちていっちゃってたときに、声が通らなかったのでプレーでみんなを引き出してあげようと思った」。苦しい時間帯でも自分の仕事を全く怠らず、ハイパフォーマンスを見せつづけた。

 ゴールチャンスもあった。後半41分には右サイドを駆け上がったMF白井永地からのラストパスにPAで反応。だが「足を上げた瞬間に攣っちゃいました」と右足ボレーはヒットしなかった。相手を崩しきれなかったことも確かだが、トップチームから肌で感じたものもある。「ボク達の攻撃しているときに、相手の選手の『ゴールに入れさせない』というオーラもあったし、そこに入っていく勇気もボクらはまだまだ薄いと思う。課題として、目標としてやっていきたい」。公式戦でトップチームに挑戦するという歴史的な一戦で得た経験を活かし、これから課題を個人・チームとして取り組んでいく。

 結果は0-3で完敗だったが、それでも「こういうところで自分のパフォーマンス、自分の技術を見せられたことは自分の人生の糧になったと思います」と胸を張った。特に試合後、トップチームの選手たちとともに場内を一周した際に映ったスタンドの歓声、光景は今後への活力となった。「(場内を回っているとき)鳥肌立って。今までボクらがやってきたことは間違いではなかった。これからのサッカーはボクラが背負っていくという思いを持って堂々と歩きました。また(この舞台に立って)鳥肌立たせたいと思う。毎日努力していきたいと思います」。進路は現時点でまだ未定。ただ頭脳派のMFはこの日の感動を胸に挑戦を続けていく。

(取材・文 吉田太郎)
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