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目前のアメリカ優勝に悔し泣きの猶本「金メダルを獲りたい」

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[9.8 U-20女子W杯3位決定戦 日本2-1ナイジェリア 国立]

 有終の美を飾ったヤングなでしこ。試合後、“クールビューティ”な司令塔、MF猶本光の目には再び涙が浮かんでいた。「(大会が)もう終わったというのと、優勝できなかった悔しさです」。

 試合後、猶本は良かった点を「ボールを供給できたこと」、悪かった点を「ボールを供給できなかったこと」と話し、大会を振り返った。「韓国戦まではできていたんですけど、身体能力で勝る相手(ドイツ、ナイジェリア)にはできなかった。今日はボール支配率が低かったと思うんですけど、私のせいです。(ナイジェリア戦が)6試合で一番よくなかった」。悔しさばかりが口をついていたが、3位という結果については「どんなカタチでもいいから勝とうと思っていたのでよかった」とようやく笑顔を見せた。

 6試合全てにフル出場し、ヤングなでしこの中心的役割を担った猶本だが、所属チームである浦和レディースに戻れば、待っているのはスタメン争いだ。「今大会でできたことを、よりレベルの高いなでしこリーグでできるかどうか」。リーグで活躍すれば、当然なでしこジャパンも視野に入ってくるが、「U-20でもこんなにできないのに」と、まだそのレベルに達していないと謙虚に自己評価した。

 決勝後に行われた表彰式。目の前で優勝したアメリカの歓喜を目撃すると、こらえきれず再び涙を流した。

「メダルをもらえたけど、金メダルが良かったです。アメリカが喜んでいるのを見て、悔しくなりました。また、サイドから見る側になってしまったので」

 なでしこリーグを「世界一の選手がいるからレベルが高い」と言うほど、「世界一」へ強い想い抱く猶本。準決勝で完敗を喫したドイツ、そのドイツを下して優勝したアメリカ。「世界一」への距離を実感した大会だったが、それでも「金メダルを獲りたい」という目標は変わらない。この「世界一の負けず嫌い」が、日本女子サッカーを頂点に導いてくれるはずだ。

(取材・文 奥山典幸)
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