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ベレーザようやく勝った!宿敵INACを下しなでしこリーグ杯3連覇!!

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[9.9 なでしこリーグ杯決勝 I神戸 2-3日テレ NACK]

 なでしこリーグ杯の決勝が9日、NACK5スタジアム大宮で行われた。12年元日の全日本女子選手権決勝と同じく、昨季のなでしこリーグを制したINAC神戸と、なでしこリーグ杯2連覇中の日テレ・ベレーザの顔合わせとなった一戦は、壮絶な打ち合いの末、3-2でベレーザが勝利し、大会3連覇を飾った。

 INACはなでしこジャパンからMF澤穂希、FW川澄奈穂美、MF大野忍ら6人がスタメンに名を連ねた。注目のヤングなでしこ、MF田中陽子とMF仲田歩夢はベンチ外。一方のベレーザは、なでしこジャパンからDF岩清水梓が先発出場。ヤングなでしこのFW田中美南、DF土光真代もベンチ入りした。

 なでしこジャパン、ヤングなでしこの選手が多数名を連ねる日本女子サッカー界の「2強」による決勝。試合は、頂上決戦にふさわしい激戦となった。前半6分、さっそく試合は動いた。INACのDF高良亮子のクリアミスをベレーザのMF伊藤香菜子がカットし、右サイドに開いたMF小林弥生に展開。小林のクロスにFW永里亜紗乃が右足で合わせ、ベレーザが幸先よく先制した。

 先制点は許したものの、INACは焦ることなく長短織り交ぜたパス回しでリズムをつくっていく。迎えた前半23分、DF近賀ゆかりからスルーパスを受けたMFチ・ソヨンが右足を振り抜き、1-1の同点。さらに同30分、近賀が相手クリアをヘディングで跳ね返したボールがFWゴーベル・ヤネズに渡り、そのまま右足で決めて逆転に成功した。

 その後もINACペースが続き、決定機をつくるが、岩清水を中心としたベレーザ守備陣が体を張って3点目を許さない。すると、DFの踏ん張りに応えたいベレーザ攻撃陣にチャンス。前半44分、永里が粘り強いボールキープから、途中出場のDF田中明日菜をかわしてPA内に進入。GKと1対1になったところで、この日2トップを組んだ小林にラストパス。フリーの小林は冷静に右足で流し込み、2-2の同点に追いついた。

 後半に入ると前半のハイペースから一転、落ち着いた展開になったが、後半11分にINACはパスミスから勝ち越し点を献上してしまう。高良からGK海堀あゆみへのバックパスを永里がカット。今度はGK海堀をかわして無人のゴールに流し込み、ベレーザが3-2と逆転した。

 ここからINACの怒涛の攻撃が始まる。この日、右ウイングに入った川澄は何度も相手SBを置き去りにしてチャンスを演出するも、最後のところで決め切れない。試合終盤には澤がボランチから攻撃的MFにポジションを上げて攻勢をかけた。後半44分には川澄が上げたクロスからフリーでヘディングシュートを放つが、ポストに嫌われた。

 INACの猛攻は最後まで実を結ばず、試合はこのまま終了。2シーズンぶりにINACを下したベレーザがなでしこリーグ杯3連覇を果たし、野田朱美監督就任後初のタイトルを獲得した。レアル・マドリーとバルセロナのようにしのぎを削る両チームの次の対戦は11月11日、なでしこリーグ最終節だ。

(取材・文 奥山典幸)
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