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ローマから加入のシンプリシオが劇的なJ1初ゴール!C大阪がホームで清水撃破!

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[9.22 J1第26節 C大阪3-2清水 金鳥スタ]

 J1第26節の14位・セレッソ大阪対8位・清水エスパルス戦は、後半43分にブラジル人MFシンプリシオが決めた決勝ゴールによって、3-2でC大阪が劇的な勝利を飾った。

 先制したのは過去6試合の成績が4勝1分1敗と好調の清水だった。前半9分に2戦連続ゴール中のFW大前元紀が右足PKをゴール右隅に決めてリードを奪う。だが前半の清水のシュート数はこれを含めて2本だけ。ホームのC大阪はスペースを上手く消しながら“危険人物”の大前をケアすると、サイドからのクロスでチャンスをつくり出す。

 C大阪は前半20分、左サイドへの展開からSB丸橋祐介が絶妙なクロス。ニアサイドへ飛び込んだFWケンペスが頭で合わせて同点ゴールを奪った。その後も主導権を握って試合を進めるC大阪は38分、MF扇原貴宏のインターセプトからケンペスがゴール右ポスト直撃の右足シュート。そして前半ロスタイムだ。左サイドの扇原が逆サイドのオフサイドラインギリギリに位置していたMFヘベルチへサイドチェンジ。これをコントロールしたブラジル人MFが粘ってからPAへラストパスを送ると、飛び込んできたMF山口螢が右足を振りぬく。シュートはGKに阻まれたが、こぼれ球を狙っていた柿谷が右足ダイレクトで押し込んで勝ち越した。

 リードをひっくり返された清水は前半の内容についてアフシン・ゴトビ監督も「前半については話しをしない。腹が立つだけだ。前半は終わった。自分たちで跳ね返せ! もっと集中しろ! もっとエネルギーを出せ!」と怒りを露わにしていたが、後半も立ち上がりから山口、柿谷らに連続してシュートを放たれるなど、なかなか流れを引き寄せることができなかった。

 それでも21分に18歳MF石毛秀樹を投入して前への推進力を強めた清水は25分、ゴール正面左寄り、PAやや外の位置でFKを獲得。キッカーのMFアレックスが左足を振りぬくと、ボールはGKキム・ジンヒョンの逆をついてゴール右隅へと吸い込まれた。

 追いつかれたC大阪だったが、この日はその攻撃力が清水を上回る。エースの柿谷や再三決定的な仕事をしていた丸橋を中心とした波状攻撃で相手に圧力をかけたC大阪は後半43分、交代出場のFW杉本健勇が柿谷とのワンツーで左サイドを抜け出すと、DFのマークを外してから中央へ緩やかなクロスを放り込む。ニアサイドでDFを引きつけた柿谷と山口の頭上を越えたボールに3人目の動きで飛び込んできたのはシンプリシオ。7月にイタリアの名門・ローマから加入した背番号7は右足ダイレクトで劇的な決勝ゴールを押し込んだ。

 移籍後7試合目でJ1初ゴールを決めたシンプリシオは試合後のヒーローインタビューで「ボクのゴールが大事だというよりは、チームが勝つんだという気持ちを見せて、最後まで応援してくれたサポーターの皆さんとともに勝ち取った勝利だと思います」。この日はC大阪の一員としてJFL優勝、Jリーグ昇格、第74回天皇杯準優勝に貢献し、現役引退後もユース監督、サッカースクールコーチなどを務めた久高友雄さんが13年前に36歳の若さで急逝した日。一時勝ち越しとなるゴールを決めた柿谷が両手人差し指を天に突きあげて感謝の意を表していたが、若きC大阪イレブンが功労者である先輩に劇的な勝利を捧げた。

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