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首位・甲府は17戦ぶり複数失点も、畑田のJ初弾で北九州に劇的勝利

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[9.23 J2第35節 北九州2-3甲府 本城]

 J2の第35節が23日に各地で行われた。首位ヴァンフォーレ甲府は敵地で10位ギラヴァンツ北九州と対戦し、3-2で勝利した。2-2で迎えた後半ロスタイム3分に途中出場のMF畑田真輝が決勝点。4年目の畑田のJ初ゴールで甲府が勝ち点3を手に入れた。6月9日の千葉戦(0-2)以来、実に17試合ぶりの複数失点となったが、17戦負けなし(12勝5分)と無敗をキープし、J2優勝へ大きく前進した。

 前半6分に早くも試合は動く。FWフェルナンジーニョが前線へスルーパス。左サイドへ抜け出したMF柏好文がドリブルで仕掛けると、PA左から右足シュート。ゴール左下へ突き刺して、甲府が先制に成功した。その後も甲府は果敢に攻める。同12分にはDF福田健介の右クロスからFWダヴィがヘディングシュートを狙うも枠を外れた。

 対する北九州は押し込まれる時間が続き、前半のシュート数はわずかに1本。1点を追う前半17分にはMF安田晃大のパスを起点にチャンスメイク。PA内ゴール正面でFW常盤聡が粘ると横パス。PA左のFW端戸仁の折り返しにゴール前右へDF川鍋良祐が走り込むも合わなかった。0-1で前半を折り返す。

 後半開始から北九州はMF鈴木慎吾に代えて、DF宮本亨をピッチへ送る。これに伴い、DF金鐘必がポジションを上げた。するとこの采配が功を奏した。後半開始3分、ドリブルで左サイドから中央へ切れ込んだ金が豪快なミドルシュート。右足で蹴り込まれたボールはクロスバーの内側を叩くと、ゴールへ吸い込まれた。強烈な一撃が決まり、北九州が試合を振り出しに戻した。

 その後は一進一退の攻防となる。甲府は後半25分にMF井澤惇に代えて、MF石原克哉を投入。北九州は安田に代わって、MF竹内涼を送り出した。互いに2点目を奪いに行く。すると後半32分、勝ち越しゴールを奪ったのは北九州だった。左サイドからドリブルで持ち込んだ竹内が中央へ走り込んできた常盤へ横パス。これを受けた常盤がDFを振り切り、ドリブルで前進する。PA正面から左足を振り抜くとゴールネットを揺らした。北九州が2-1と逆転に成功した。

 6月9日の千葉戦(0-2)以来、複数失点のない甲府だったが、まさかの2失点目。無敗記録を止めないためにもなんとか同点弾を目指す。失点後の後半33分にはMF伊東輝悦に代え、MF松橋優。同35分には最後の交代枠を使い、DF津田琢磨に代わって、MF畑田真輝をピッチへ送った。

 すると後半40分に甲府が意地をみせる。フェルナンジーニョの右CK、ニアサイドのダヴィが合わせてヘディングシュート。J2得点ランキングで首位に立つダヴィの今季26点目が決まり、2-2に追いついた。同43分には、右サイドゴールライン際でフェルナンジーニョがキープして、ファーサイドへ浮き球パス。ダヴィと競り合った川鍋にクリアされるも、ゴール前正面で拾った松橋が右足シュート。決定的な場面だったがポスト右へ外れていった。

 それでも終了間際の後半ロスタイム3分に甲府が劇的な勝ち越しゴールを奪った。左サイドから仕掛けた柏がクロスを入れる。後方から走り込んできた畑田が右足シュート。途中出場の畑田のJ初ゴールが決まり、甲府が3-2と勝ち越しに成功した。そのまま試合は終了。甲府が劇的な勝利を収めてみせた。

 試合後、劇的な決勝点を決めた畑田は「監督からもシュートを打つように言われていたので、あの場面でも自分で決めようと思っていました」とコメント。柏の下部組織出身で09年に甲府に入団。昨季はブラウブリッツ秋田へ期限付き移籍するなど、これまではなかなかトップチームでのチャンスには恵まれなかった。苦節4年目でのJ初ゴール。「ここまでなかなかチャンスをもらえなくて、出たらやってやると思っていた。4年かかりましたけどやっと点を取れました」と満面の笑顔。「このまま負けないで優勝して、J1へいきたいと思います」と力強く意気込んだ。

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