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チーム最年少のFP逸見「カズさんは父と同い年。あんなに走れてスゲー」

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 フットサル日本代表は26日、愛知合宿の最終日を迎えて、午前練習を行った。最後に動きを確認しながらの紅白戦を行った中で、キレのある動きを見せたFP逸見勝利ラファエル(名古屋オーシャンズ)は、3日間の合宿を振り返り「Fリーグがあり、疲れもありましたけど、とても良い雰囲気の中で練習ができて、良かったと思います」と手応えを口にした。

 今年6月に行われたAFCフットサル選手権で7得点を挙げ、大会最優秀選手に輝いた逸見は、軽快な動きを見せていた。相手の重心の逆を突くパスを何本も通し、高い技術と緩急の変化を付けたドリブルからチャンスをつくりだした。日本ではサッカーをプレーした選手がフットサルに転向することが多い。しかし、5年前にブラジルから来日し、日本国籍を取得した逸見は、日本では希少なフットサル育ちの選手である。

 今回、初めてフットサル日本代表合宿に参加したFP三浦知良については、ブラジルにいた頃から知っていたという。意外なつながりがあったことを明かした。

「ブラジル時代、僕はクリチーバというチームでサッカーとフットサルの両方をプレーしていました。そこは以前、カズさんもプレーしていたクラブなんです。僕は日系人だから『カズのこと知っているか?』って、よく言われていました。今回、初めて会いましたが、ポルトガル語で話しました。カズさん、ポルトガル語うまいですよね。『ブラジルのどこに住んでいたの?』とか『いつ日本に来たの?』ってポルトガル語で聞かれて、僕は日本語で答えていました」

 逸見はチーム最年少の20歳、45歳でチーム最年長の三浦は、彼の父・エドアルド氏と同い年だという。父と同い年であるクリチーバの先輩と今合宿で初めて一緒にプレーした逸見は三浦の印象について「スゲーと思いました。僕のお父さんは全然、動けないから」と言って、笑顔を見せた。

 45歳とは思えぬ運動量に加え、技術の高さにも驚かされたという。

「うまかったですよね。シュートとか、トラップとか、サッカーとフットサルではボールやタイミングが全然違ってくるのに、本当にうまかった。僕がドリブルを仕掛けても、守備でも付いてきていたし、すごいなと思いました」

 フットサル日本代表は一度解散し、今週末にはそれぞれが所属するクラブでFリーグ、J2の試合を戦う。。「まだFリーグもあるし、今からマックスで練習していたら、コンディションを崩してしまうと思う。15日からの直前キャンプからマックスで練習して、それまでエンジンを温める感じで練習をしていきたい」と、過密日程となるため、逸見はペース配分を考えて、本番に向けて調整していくことが必要だと語っている。

 タイで行われるW杯、日本は初戦で逸見が生まれ育ったブラジルと対戦する。「ブラジルと試合をしたことはありませんが、強いですよね。強いけど、みんなが頑張れば、勝つチャンスもあると思う。決勝トーナメントに行くためにも、勝ちにいきたい。お父さんも見に来てくれるし、楽しみです」と、日本を6年ぶり2度目のアジア制覇に導いた若きアタッカーは、目を輝かせた。

(取材・文 河合拓)

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