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最速降格に唇かむ札幌MF河合、「自分たちのふがいなさが悔しい」

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[9.29 J1第27節 川崎F1-0札幌 等々力]

 試合終了の笛が鳴ると、コンサドーレ札幌の選手たちは次々とピッチに崩れ落ちた。7試合を残してのJ2降格決定。主将のMF河合竜二は「応援してくれたサポーターに申し訳ない。本当に悔しいです」と唇をかんだ。「自分たちのふがいなさが悔しくてしょうがなかった」。史上最速でのJ2降格。今季は一度も連勝がなく、アウェーでは13戦13敗。「すべてにおいて足りないところが多かった」とうなだれた。

 4シーズンぶりのJ1復帰となった今シーズン。開幕戦は磐田と0-0で引き分け、続く神戸戦、浦和戦も先制しながら2試合連続の逆転負け。惜しい試合をしながら結果につながらず、相次ぐ故障者の影響もあり、チームは崩れていった。結局、27節を終えて、引き分けは開幕戦の一度だけ(3勝1分23敗)。致命的な勝負弱さが最速でのJ2降格につながった。

 試合前のロッカールームでは「悔いの残らないようにすべてを出し尽くそう」と選手同士で声をかけ合ったという。「今日負けたら降格が決まるかもしれないと、選手は気合が入っていた。いつも立ち上がりに失点してしまうところで、前半を失点ゼロで抑えられたのは大きかったし、後半もいい入りができた」。しかし、徐々に川崎Fの圧力に押し込まれ、終盤は完全に防戦一方となった。後半のシュート数は2本対13本と一方的な攻め込まれ、耐え切れずに後半35分に失点。粘り強く戦いながら最後の最後で勝ち点を逃す戦いぶりは、悪い意味で今季を象徴していた。

「プロとして、1試合1試合、目の前の試合に集中して、全力で勝利に向かってやっていくだけ。下を向かず、あと7試合、すべてを出し尽くして戦っていきたい」。この日も遠いアウェーにまで駆けつけ、最後まで熱い声援を送ってくれたサポーターの思いに応えるためにも。勝利をプレゼントすることで意地を見せたい。

(取材・文 西山紘平)

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