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甲府がJ2タイ記録の19戦無敗でJ1復帰に王手

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[10.7 J2第37節 甲府3-2徳島 中銀スタ]

 ヴァンフォーレ甲府が1年でのJ1復帰に王手をかけた。徳島ヴォルティスに3-2で競り勝ち、3連勝を飾ると、これでJ2タイ記録の19戦負けなし(14勝5分)。勝ち点を77に伸ばした。次節14日の湘南戦(中銀スタ)に勝って勝ち点80の大台に乗せると、J1昇格が決定。京都は最大で勝ち点82まで伸ばす可能性があるが、湘南以下のチームは勝ち点80に届かないため、2位以内が確定し、甲府の自動昇格が決まる。

 J1復帰へカウントダウンに入った。エースのFWダヴィが3戦連発となる今季29得点目を含む1ゴール2アシストの活躍でチームを3連勝に導いた。前半32分、MFフェルナンジーニョからのスルーパスに反応したDF福田健介がマイナスに折り返したボールをダヴィが落とし、MF永里源気が振り向きざまに左足シュート。先制のゴールネットを揺らした。

 前半39分にもダヴィがPA内右から縦に仕掛けてDFを抜き去ると、マイナスのクロスをフェルナンジーニョが右足で流し込み、リードを広げた。後半5分にはMF山本英臣の左サイドからのアーリークロスにダヴィがヘディングで合わせ、3-0と突き放した。

 後半立ち上がりの追加点で勝負あったかと思われたが、徳島も驚異的な粘りを見せる。甲府が後半18分にダヴィをベンチに下げると、その4分後にCKからDF盛田剛平のオウンゴールを誘い、徳島が1点を返した。後半40分にはDF橋内優也が一発退場となったが、同43分にFWアレックスのゴールで10人の徳島が2-3と1点差に追い上げた。

 終盤は徳島が猛攻を見せたが、後半ロスタイム、徳島FWドウグラスが2枚目の警告で退場となり、万事休す。甲府が3-2で逃げ切った。19戦負けなしは、10年に柏が記録したJ2記録と並ぶ数字。就任1年目でJ1昇格にリーチをかけた城福浩監督は「3-0になってからのゲーム運びは反省しないといけないが、我々は約4か月負けてない。この記録は簡単につくれるものじゃない」と力を込める。

「断トツの資金力があるチームがJ2にいたときもこの記録はつくれていない。胸を張れる難しい記録を選手はつくっている。これは選手、そしてサポーターの宝物」

 歓喜の瞬間はもうすぐだ。次節、ホームでの湘南戦でJ2新記録樹立とともにJ1復帰を決めることができるか。湘南は09年のJ2第49節でも対戦し、後半ロスタイムの失点で競り負け、J1昇格を逃すことになった因縁の相手だ。「我々は新しいチームだけど、皆さんの記憶にあるものも背負いながらやっている」。サポーターの思いを受け止める指揮官は「ホームで決めたい思いはある。皆さんと一緒に歓喜の終わり方をしたい」と誓っていた。

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