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“仮想フランス”相手に3バックを確認、約1年ぶりに3-4-3を再テストへ

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 欧州遠征中の日本代表は9日、パリ郊外で約2時間の練習を行い、12日のフランス戦に向けて調整した。この日は守備の戦術確認に長時間を費やし、従来の4バックに加え、3バックもテスト。攻撃側がフランスの基本布陣である4-3-3のフォーメーションを組み、“仮想フランス”相手に守備面を確認した。

 4バックの守備練習では、DFライン4枚と中盤4枚でブロックを形成し、プレッシャーのかけ方やボールの奪いどころを確認。DF内田篤人(シャルケ)が「どうしても向こうの時間帯はある。アウェーでやるし、相手も相手だから」と話すように、W杯アジア予選などと違い、守備の時間はこれまで以上に長くなる可能性が高い。それだけにザッケローニ監督の指示も綿密だった。

 その後は3バックも確認。昨年6月のキリン杯ではペルー戦(0-0)、チェコ戦(0-0)ともに3-4-3でスタートし、同年10月7日のベトナム戦(1-0)も前半は3-4-3で臨んだ。昨年11月15日のW杯アジア3次予選・北朝鮮戦(0-1)もリードを許したあとの後半17分から3-4-3にシステム変更したが、なかなか結果に結び付かず、その後はW杯アジア最終予選が始まったこともあり、“棚上げ”状態だった。

「予選では監督も冒険しない。3-4-3を練習する時間は少なかった」。そう指摘するDF吉田麻也(サウサンプトン)は「親善試合で確認して、オプションとして成長させられれば」と意気込んだ。12日のフランス戦(フランス・パリ)、16日のブラジル戦(ポーランド・ブロツワフ)と続く今回の欧州遠征で、約1年ぶりにザッケローニ監督の“伝家の宝刀”である3-4-3を再テストする可能性が高まっている。

 FW前田遼一(磐田)の離脱によりFW佐藤寿人(広島)が追加招集でザックジャパン初選出となったこともあり、さまざまな選手や戦術のテストが期待されるが、その一方で、これまでアジアで戦ってきた日本のサッカーが世界の強豪国相手にどこまで通用するかを見極めることも重要なテーマだ。吉田は「勝ちに行くつもりで来ているし、練習させにもらいに来たわけではない。フランス、ブラジルを倒せば、世界での評価も高まる」と、虎視眈々と番狂わせを狙っている。

(取材・文 西山紘平)

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