beacon

香川が劇的決勝弾!!日本がサンドニでフランスを下し初勝利

このエントリーをはてなブックマークに追加


[10.12 国際親善試合 日本1-0フランス サンドニ]

 欧州遠征中の日本代表は現地時間12日夜(日本時間13日未明)、フランス・パリ郊外のスタッド・ドゥ・フランス(サンドニ)でフランス代表と対戦した。過去1分4敗(PK負けは引き分け扱い)と勝ったことのないフランスとの敵地での一戦。日本は0-0のまま守備陣が粘ると、後半43分にFW香川真司が劇的な決勝点を奪い、1-0で競り勝った。日本は対フランス戦6試合目で初勝利。チームは明日13日、ポーランドに移動し、16日に同国ブロツワフでブラジル代表と対戦する。

 右ふくらはぎ痛で別メニュー調整が続いていたMF本田圭佑はベンチスタートとなり、トップ下ではMF中村憲剛が昨年11月15日のW杯アジア3次予選・北朝鮮戦(0-1)以来、約11か月ぶりに先発した。途中離脱したFW前田遼一に代わる1トップにはFWハーフナー・マイクが入り、2列目は右からFW清武弘嗣、中村、FW香川真司。最終ラインは右からDF酒井宏樹、DF吉田麻也、DF今野泰幸、DF長友佑都と並び、酒井宏が9月6日のUAE戦(1-0)以来、2試合ぶりの先発となった。
[スタメン&布陣はコチラ]

 日本は立ち上がりからヒヤリとさせられた。前半4分、FWメネスの右CKからDFコシールニーがヘディングシュート。フリーで合わせられたが、シュートはゴール右へ外れた。同5分にも左サイドのショートコーナーからメネスが右足ミドル。メネスのドリブルに対応した際、ピッチに足を滑らせた中村は直後にスパイクを取り換えるなど後手に回った。

 その後もフランスに押し込まれる日本は立て続けにCKのピンチを迎える。前半8分にはメネスの左CKに再びコシールニーが合わせるなどセットプレーのボールに対し、日本の選手はなかなか先に触れることができない。ギリギリのところでしのぐ日本は前半16分、バイタルエリアで縦パスを受けた清武が右サイドに展開。酒井宏のクロスにハーフナーがヘディングで合わせ、ようやく初シュートを打った。

 徐々に落ち着きを見せ始める日本はパスがつながる時間も出てきたが、フランス守備陣を脅かすまでには至らない。逆にフランスは前半25分、26分とFWベンゼマが立て続けにシュートを放つなど確実にフィニッシュまで持ち込む。同31分にはプレッシャーをかけられた香川のパスミスをFWジルーが奪い、ベンゼマがシュート。しかし、いずれも枠を外れ、日本はフランスのフィニッシュの精度の低さに救われる展開となった。

 前半39分にはPA手前で香川がメネスを倒し、FKを与えるが、ベンゼマが直接狙ったキックはGK川島永嗣が好セーブ。結局、日本はハーフナーのシュート1本のみで前半を終えたが、守備陣は粘り強く耐え、0-0で折り返す。逆に攻め込みながらゴールが遠いフランスに対してホームのサポーターは前半終盤になるとウェーブを繰り返し、前半終了の笛と同時に大きなブーイングが飛んだ。

 後半開始のためフランスの選手がピッチに戻ってくると、スタンドは再びブーイング。フランスはハーフタイムに3選手を交代し、ベンゼマに代わって入ったMFバルブエナが右サイドに入り、メネスが左サイドに回った。後半立ち上がりも劣勢を強いられる日本だが、後半10分、素早いリスタートから中村が右足でミドルシュート。GKロリスが前にこぼしたボールにハーフナーが詰め、こぼれ球を香川が拾うが、シュート性のクロスは味方に合わない。同13分、中村のミドルシュートもGKの正面を突いた。

 日本は後半17分、MF長谷部誠と中村を下げ、MF細貝萌とFW乾貴士を投入。乾は左サイドに入り、香川がトップ下にポジションを移した。ゴールが遠いフランスも後半23分、2人を交代。メネスに代わってFWリベリがピッチに入ると、スタンドからはこの日最大の歓声が沸き起こった。

 後半29分、左サイドから仕掛けたリベリは清武、酒井宏の間を強引に突破。シュートまで持ち込むが、GK川島が抑えた。スタンドからは大きなリベリ・コール。エースを投入し、攻勢を強めるフランスに対し、日本は同31分、左サイドで粘って長友がクロスを上げると、この日初めてCKを獲得した。

 フランスは後半33分、ジルーのオーバーヘッドキックにFWゴミが頭で合わせ、ゴールネットを揺らすが、オフサイドの判定。リベリが左サイドを制圧し、次々とチャンスをつくり出すフランスに対し、日本は防戦一方となった。リベリの対応に苦しみ、足を気にする素振りも見せる酒井宏は後半41分、DF内田篤人と交代。同時にハーフナーを下げ、MF高橋秀人を投入した。

 高橋と細貝がダブルボランチを形成し、トップ下にMF遠藤保仁、1トップに香川が入った。守備重視の戦術にシフトした日本。後半42分のジルー、同43分のバルブエナのシュートを立て続けにGK川島がビッグセーブでしのぐと、その直後だった。CKのカウンターから今野がドリブルで持ち上がると、PA内右サイドの長友にパス。長友の折り返しを香川が倒れ込みながら右足で押し込んだ。試合終了間際の劇的決勝点で日本が1-0でフランスに競り勝ち、歴史的な初勝利を飾った。

(取材・文 西山紘平)

▼関連リンク
千両役者が千金ゴール、香川「自信を持つためにも結果が欲しかった」
“カッサーノの教え”が生んだアシスト、長友「カッサーノのことが頭をよぎった」
「10回以上見た」“悲劇”の舞台で決勝点演出、今野「自画自賛です」
10年かけて122試合に出場した遠藤「勝ちたいと思って毎試合戦ってきた」
ビッグセーブ連発の川島、「前に進んでいるが、ここが終着点ではない」
内田をベンチに追いやり先発の酒井宏、「エブラとクリシーのような関係に…」
試合後の選手コメント
試合後のザッケローニ監督会見要旨

TOP