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“カッサーノの教え”が生んだアシスト、長友「カッサーノのことが頭をよぎった」

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[10.12 国際親善試合 日本1-0フランス サンドニ]

 “カッサーノの教え”が生んだ決勝アシストだった。0-0で迎えた後半43分、値千金のアシストを記録したDF長友佑都(インテル)が言った。「シュートを打とうかと思ったけど、カッサーノのことが頭をよぎった」。CKのカウンターからDF今野泰幸がドリブルで駆け上がり、右サイドに開いた長友にパス。PA内右でボールを持った長友はシュートも考えたが、ゴール前にFW香川真司が入ってきた動きを見極め、最終的にクロスを選んだ。

 今季からインテルのチームメイトとなったイタリア代表FWアントニオ・カッサーノの言葉が、長友の選択を変えた。長友はカッサーノから「自分はアシストをしたいからギリギリまで味方を見る。それでも出しどころがなかったらシュートを打つ」とアドバイスをもらったことがあるという。このシーンでカッサーノの言葉が蘇った。「彼ならシュートと見せかけてクロスを入れるなと」。狙い澄ました折り返しに香川が倒れ込みながら右足で押し込み、フランスを敵地で撃破する歴史的な決勝点が生まれた。

「最後まで冷静に周りが見えていた。相手も絶対に俺がシュートを打つというふうに見ていた」。疲労もピークの試合終了間際に訪れた最大の絶好機にどこまでも冷静だった長友。「ベストなタイミングだった。今野さんの(パスを出す)タイミング。(香川)真司の中に入って相手を引き付けるタイミング。すべてがマッチして、これは来たなと」と胸を張った。

(取材・文 西山紘平)

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