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10/14A代表練習後の選手コメント

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 欧州遠征中の日本代表は14日、ポーランドのブロツワフで初練習を行い、16日のブラジル戦に向けて調整した。右ふくらはぎ痛で12日のフランス戦(1-0)を欠場したMF本田圭佑(CSKAモスクワ)は全体練習に合流したが、FW清武弘嗣(ニュルンベルク)とDF今野泰幸(G大阪)が別メニュー調整となった。

以下、練習後の選手コメント

●FW香川真司(マンチェスター・U)
―ブラジルのビデオを見た?
「見ました。最近の試合を3、4試合見ました。映像で見る限りでも、すごいプレーを彼らは簡単にやるし、生でやってみたときにはさらに難しさを感じると思う。厳しい戦いになると思うけど、しっかり準備していきたい」
―分析は?
「攻撃的な選手が多いので、僕たちはボールを取ったあとの攻撃のスピードが大事。相手に取られたあとの攻撃のスピードは速いけど、そのあとは続いてこないと思うので、そこは突けると思う。ただ、やはり彼らは技術が高い。そう簡単にはうまくいくと思わないけど、辛抱強く守備をして、ボールを持ったときにチームが自信を持って前へ出られるかが大事になってくると思う。そういうところがカギになってくる」
―フランスと比べてどう?
「技術的にはSBもすごい攻撃的だし、ボランチにもラミレスという前に出てくる力のある選手がいるので、攻撃の技術ではフランスより高いと思う。そういう意味で、チームとしての奪いどころを定めることが大事。フランス戦ではなかなか奪いどころを見つけることができなかった。ブラジルも奪いどころがない選手が多いので難しいと思うけど、ある程度サイドに限定しながら、そういうところをチームとしてハッキリさせていかないと、フランス戦の前半みたいに回されてしまう。そうするとブラジルは個人技の強い選手が何人もいるのでやられてしまうと思う。守備のほうでしっかりとしないといけない。ブロックをしっかりするのと、攻撃のところの守備で奪いどころをハッキリさせないといけない」
―奪う位置が低いと難しい?
「まだフランス戦を見返してないけど、取ったあとにラインが下がっていたり、中盤がDFラインまで下がっていたら、なかなかボールが前に進まない。ブラジル戦も、守備になったときにラインが下がる場面は出てくると思うので、ボールを取ったときに前線の選手が少し無理をしないといけないと思う。タメをつくる必要もある。フランス戦以上に気を遣いながら、状況を判断していく必要があると思う」
―状況判断が大事。
「メリハリが必要。速攻で行ける場面というのはやっぱり前に出るスピードはあると思うので、そこの使い分けが大事。精度が高いことも必要。高くなければただ急いで前に行くだけになってしまうので、そこは個々の技術が必要です」
―2試合連続ゴールのイメージは?
「もちろんそこにこだわりを持っています。ブラジル戦では攻撃でゴール前に入る回数をもっと増やしていきたいと思います」

●FW清武弘嗣(ニュルンベルク)
―今日も別メニューだったが?
「今日も全然(練習を)やれた。(試合まで)時間もないし、明日はやれるので。治療も特には別にしていない。そこまで痛みはないし、内出血もない」
―ブラジルとの対戦については?
「楽しみです。五輪でもやりたかったけど、結局やれなかったので」
―フランスとも違う?
「技術はあるけど、SBが食いつく傾向があるので、やりたいことはやれると思う。最初のディフェンスが速いのは、そこさえかわせれば。フランス戦でやれなかったことを確認したし、それをブラジル戦で生かせれば。しっかり試合に入って、なるべくボールを持つ時間を長くしたい」
―ブラジルの左SBはマルセロだが?
「五輪でも見ていたし、攻撃的な選手。もしかしたらまた守備に追われる時間もあるかもしれないけど、次はもっと攻撃的に行ければ」

●MF長谷部誠(ボルフスブルク)
―チームとしてのフランス戦の課題は?
「得点シーンは相手のセットプレーから。正直、ああいうのはなかなか試合の最後にしかない。85分間はあり得ないチャンス。カウンターを狙うなら、もう少し高い位置で取ってからというのが現実的。全体的に勇気を持って上げることが大切」
―立ち上がりがよくなかった?
「監督もミーティングで言っていたけど、前半の立ち上がりを過ぎてからは全体的に引いてしまった。前に出すと、そこのプレッシャーがきつくて、リスクを考えて後ろで回してしまったのかなと。そうなるとなかなか崩れない。全体を押し上げて、弾かれてもセカンドボールを拾うような展開に持っていかないといけない」

●DF長友佑都(インテル)
「ブラジルはみんながすべてトッププレイヤーだが、中でもJリーグ時代に対戦したフッキがいるので楽しみ。僕がJでデビューしたときに対戦して以来なので、今回、フッキと勝負できるのが楽しみです。彼が先に世界に出ていったことで、彼に負けたくないと僕も頑張ってきました」
―ブラジルの監督が長友選手を警戒すると話していたが?
「SBですが、警戒してくれるのは自信になるし、うれしく思う。期待に応えるために、どんどん行きたい」
―ブラジル戦の位置づけは?
「世界とのレベルの差や、距離を測る上で、ブラジル戦は大切。もちろん勝ちに行く。日本代表も成長しているし、世界との距離は確実に縮まっているけど、まだ差はある。この試合を自信につなげていきたい」
―イタリアでプレーしたことで成長できたことは?
「世界は遠いイメージだったけど、世界に行って、(トップと)近いところにはいると思っている。世界一のSBになるという夢も、まだまだ遠いけど、光は見えている。どこに進めばいいか、何が必要かは見えていると思っている」
―実際にやることで分かる?
「日々戦っていくときに、肌と肌でぶつかって感じるスピード。イタリアに行って細かいところが見えているし、だから細かいところで成長できていると思っている。うまくいくだけで自信を得られるとは思っていない。壁を乗り越えたときにやっと自信が出てくるし、体も成長する。フランス戦でより細かいところが見えた。世界はそんなに遠くないけど、やるべきことが細かく見えたのだと思う。ちょっとしたフィジカルの違い、スピードの違い。ゴール前の迫力など、そういうところが見えたのではないかと思う」

●DF内田篤人(シャルケ)
―フランス戦を外から見てどうだった?
「右サイドに限らず、ああいう相手だとどうしても低い位置でボールをもらうことになるし、ゴールから一番遠いところからポゼッションしないといけなくなる。今日のミーティングでもやったけど、横パス、バックパスが多くて押し込まれる時間帯があるので、前に行こうと。出し手だけではなく、受け手の動き出しも必要。みんなの意識として、少し前へ行こうとやっていかないといけない。アウェーではどうしても押し込まれてしまうので。ただ、パスさえ回れば時間があるので、アウェーだからこそパスで回すのが大事だと思う。ただ、ピッチに入るのと外から見るのとでは全然違うので、外の人はあまり言わない方がいい」
―ブラジル戦のイメージは?
「相手がどこであろうと、自分たちの基本的なことをやろうと思う。シャルケでもやっているが、チームがコンパクトであれば、1対1の場面はそうない。サイドの1対1で負けなければさらに楽になる。高い位置でボールを取れればめちゃめちゃ楽だけど、ブラジルはめちゃめちゃうまいので、どうしても低くなる。でも、攻める意識、人数をかけていかないと、点は取られないかもしれないけど、勝てないです」
―酒井宏樹とポジションを争うことについては?
「いいチームは、ブラジルもそうだし、シャルケもそうだけど、各ポジションにいい選手は何人もいるんでね」

●DF酒井宏樹(ハノーファー)
―フランス戦の経験は大きい?
「あのレベルの選手と戦えたのはよかったし、前半の入りでもう少しいい入り方ができればよかった。久々のスタメンだったし、その中では楽しい時間だった。欲を言えばもっともっと仕掛けたかった」
―戸惑いなどはなかった?
「その前にドルトムントとやっていたし、そういうアタッカーには慣れてきている。想像を超えていたのはリベリ」
―どんな印象を受けた?
「フィジカルを使うのがうまい。ただ強いだけではなくて、ボールを受けるときに、ボールに行く前に手でポンと押してから行ったり、駆け引きがうまい。ただうまい、強いではなく、駆け引きがうまい。守備側もそういう駆け引きはできるし、そこをしていかないといけない」
―清武との間を抜かれるシーンもあったが?
「間をケアしていたし、間しかないと思って、読んでいたところもあった。ただ、体を入れようと思ったら一歩目が速くて。自信を持っていた分、悔しかった」
―ブラジルのネイマールとは昨年のクラブW杯で対戦しているが?
「サントスのネイマールとブラジル代表のネイマールは違う。ブラジルになったときはもっと自由に動ける。(サントスでプレーしているときのように)全責任を負っているわけじゃないし、全然違う」
―ブラジルとはロンドン五輪でも対戦したい相手だったが?
「五輪のメンバーとは多少違うし、後ろも安定している。ここ何試合かは無失点にも抑えている」
―ブラジルは自分が留学した場所でもあるが?
「(ブラジルと)やれれば幸せ。(柏での)1年目は戦力として考えられてなくて、(ブラジルで)何か見つけようと思って行った。苦しい時期があったからこそ、今がある。1試合1試合、その気持ちで今もやっている。目標はあくまでも2年後(のブラジルW杯)。それに向けてステップアップになれば。全力でぶつかっていければいいと思う」

●DF今野泰幸(G大阪)
―今日は別メニューだったが?
「疲労もあるし、ハリもある。できればやりたいと思っていたけど」
―負傷の箇所は?
「場所は言うなと言われたので……」
―いつから違和感があった?
「試合(フランス戦)が終わって、バスに乗ってから痛みが出た」
―ブラジル戦には間に合う?
「正直、分からない。やれることをやるしかない。ブラジルとはもちろん、やりたいし、今日も(ホテルに)帰って、やれることをやる」

(取材・文 西山紘平、矢内由美子)

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