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日本vsブラジル 公式練習後の選手コメント

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 16日にポーランド・ブロツワフでブラジル代表と対戦する日本代表は15日、試合会場で公式練習を行った。前日14日は別メニュー調整だったDF今野泰幸(G大阪)、FW清武弘嗣(ニュルンベルク)も全体練習に参加。今遠征で初めて23人全員がそろって練習を行い、前日では異例の公開練習となった。

以下、練習後の選手コメント

●FW香川真司(マンチェスター・U)
―フランス戦でセンタリングに合わせてゴールを入れたことで何か感じたことはあるか?
「PAに入り込んでいくタイミングもそうだし、そこで合わせるのが自分の持ち味でもある。でも、そこのバイタルにいかに入っていくかだし、そこまでのボール回しで迫力があるのが、この前は(長友)佑都の一発くらいしかなかった。サイドで1対1で仕掛けるしかなかったので、それ以外にも中央で崩せる力を付けていかないといけない」
―サイド攻撃は有益だったのでは?
「佑都が後半に起点になったときはチャンスが生まれていたし、1対1になったときはなるべく自分もゴール前に入っていけるように意識していくことも大切。確かにフランス戦は佑都のサイドにボールが入ったときはチャンスになったし、それは日本の武器の一つになっている。でも、自分のスタイル的にはセンタリングに合わせてゴールを決めるということは好きじゃない。自分は横から入ってサポートして、そこから崩すというのが好き。もっとコンビネーションで崩していきたいし、それが自分の良さでもあるし、好きなやり方」
―サイドより中?
「もちろん、シンプルにサイドが持ったときに中に入っていくのも必要。フランス戦のときは、自分のイメージで中に入れなかったから考えを切り替えてやった。そうしてチャンスになった。試合の流れを見て判断していくことが必要」
―上に行くために必要な攻撃は?
「もっとコンビネーションで崩していくというのが自分の良さでもあるし、好きだから。だから自分のスタイルをもっと出していきたい。ただ、いいチームはボランチがスペースを消してくるし、つぶしにくる。いいプレーの判断をしていくのが大事。でも、ブラジルはレベルの高い相手であるけど、いい意味でゴール前で遊べるチームだと思う。僕もそういうサッカーをしたいし、トライしていきたいし、チャレンジするメリットはある」
―ブラジルの守備は?
「センターバック2枚は今回は強烈なので、センタリングを上げてゴールというのは難しいと思う。どこかでゴール前の一瞬のアイデアが大切になる。上になればなるほど、ひらめきが必要になる」
―ブラジルとやる楽しみは?
「アジアでは味わえない雰囲気。いつもこういう相手とやれればいいけど、なかなかできない。明日はトライできるところはしていきたい。上のチームとやることで結果が付いてくれば自信につながる。それはチームとしても大きい。ブラジルはお互いが分かり合っているから攻撃の流動性がある。ポジションチェンジもすごいので、つかみどころがない。勉強になるし、ああいうスタイルは好きです」

●FW宮市亮(ウィガン)
「試合に使ってもらえれば自分の仕事をするだけなので、その自分の仕事をしっかりしたいです」
―練習では右サイドに入っているが?
「右で見える視野は変わってくるし、左サイドとは違った感覚もある。そこで遜色なく両方できれば、いい選手になれると思う」

●MF遠藤保仁(G大阪)
―ブラジル戦で123試合目になる。
「もちろんうれしいことだし、相手も非常に良い相手なので、うれしい。久しぶりにブラジルとやるし、いいメンバー、トップの選手とやれるのが楽しみ」
―どういう試合にしたい?
「ブラジル相手に押し込まれる時間は長いと思うけど、高いラインを保ちつつ、全体的にコンパクトにしてやれればいい。フランス戦もびびっていたわけではないけど、押し込まれる時間は長かった。今度はポジションチェンジをしながら攻め手を見つけていきたい」

●MF細貝萌(レバークーゼン)
「出るとしたらボランチなのでガツガツやりたい。ブラジルは個人技がすごいし、ガツガツやるのはもちろん、飛び込んでやられないようにしたい。ボールを保持される時間は長くなると思うので、そういう中でコンパクトに守ることを意識したい」
―中盤での守り方は?
「1対2の数的優位をつくりたいけど、すべてのところで数的優位をつくるのは難しい。遅らせることを意識してプレーしたい」
―守備だけでは苦しくなるが?
「自分の中ではショートカウンターをイメージしている。ブラジルはボールを保持して回して攻撃をつくってくる。引いて守ってくることはないし、奪ってすぐにボールを離して、スペースを突いて、ショートカウンターでゴールに迫っていきたい」

●DF吉田麻也(サウサンプトン)
「レベルの高いチームはボランチに仕事をさせてくれないので、後ろの役割が大きくなると思う。アジアのときはヤットさん(遠藤)や長谷部さんにぶつければボールを運べるけど、フランス戦もそうだったように、CBがどうしてもボールを持つ時間が長くなる。びびらずに落ち着いて前にボールを出せるようにしたい。もう少しテンポ良く回せていければチャンスも生まれると思う」
―どういう試合展開に持っていきたい?
「ブラジル相手にゲームを支配しながら試合を進めていけるチームはほとんどいない。攻め込まれると思うけど、フランス戦同様、集中力を切らさず、組織としてしっかり戦っていかないといけない。フランスと同じで、サイドはガンガン上がってくる。引いてばっかいても攻められないし、これだけ点を取って守備も堅いチームなので、守りだけで戦ったら必ず負ける。なるべく僕らの色を出せるように、自分たちの得点パターンでチャンスをつくりたい」
―ブラジルの攻撃陣に対しては?
「センターFWのタイプの選手がボールを受けたがるし、流動的に動く。1トップなら一人が付いて、一人がカバーを徹底したい」
―ブラジルのような相手にはなかなかプレスがかからないと思うが?
「いつも以上にコンパクトにしてラインを上げないといけない。スペースがあると、一人ぐらいかわしてくる。連動してプレスをかけられるようにコンパクトにしないといけない」
―フランス戦よりもラインを上げないといけない?
「フランス戦もブロックはつくれていたけど、ブラジルはもっと強い。もっと高い位置でボールを奪ったり、高い位置でボールを回せるようにしたい」

●DF内田篤人(シャルケ)
「出し手が前にボールを出しても、前にいる人が動いていないとダメ。初めから守りに入ったら絶対ダメ。前に出ることでサンドバックになったとしても、絶対に勝たないといけない。バランスを取りながらやりたい」

●GK川島永嗣(スタンダール・リエージュ)
―ブラジルには元チームメイトのフッキもいるが?
「昔やっている仲間とこうやって会えるのがサッカーの醍醐味。お互いの国の代表として戦えるのは素晴らしいこと。でも、個人的な感情と試合は別物」
―ブラジルと対戦できることの意味は?
「今までは大会の組み合わせで当たることが多くて、こういう形で強化の一環としてやれることはなかった。相手がフランス、ブラジルということを基準にするのではなく、いかに同等のレベルでやれるかがポイントだと思う」
―フランスよりもさらに攻撃力があるが?
「試合内容で言えばフランス戦とは違う内容になる。フランスに勝ったからと言って、フランス戦がすべての答えじゃない。自分たちの中の答えに近づくために何かを見つけないといけない。負けていいと思って入る試合は一つもない。自分たちがより進化できることを模索できる試合にしたい」

(取材・文 西山紘平、矢内由美子)

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