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J2通算100試合目の節目にゴールも千葉MF佐藤勇「情けない」

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[10.21 J2第39節 湘南 1-1 千葉 BMWス]

 敗れればプレーオフ圏外にはじき出される状況を救ったのは、ジェフユナイテッド千葉のMF佐藤勇人だった。後半40分、FWオーロイがフリックしたボールを、FW藤田祥史がPA内でキープする。藤田が落としたボールを受けた佐藤勇だったが、うまくコントロールすることはできなかった。しかし、混戦から再び藤田の前にボールが転がると藤田は、再び佐藤勇にパス。今度はしっかりとコントロールして、右足を振り抜きゴールを決めた。

「トーレ(オーロイ)が入ってきて、なかなかシュートにいけない試合がありました。でも、今日は高い位置までボールを運ぶことができて、高い位置からトーレにボールを出すことができた。相手のゴールに近かったし、自分の得点もトーレに集中したところに後ろから走り込んで行けた。今日は後半がそういう風にプレーできたから、良い方向に転がったと思いますし、もう1点を取るチャンスもありましたから、取りたかったですね」と振り返った。

 この試合は佐藤にとって、J2通算100試合というメモリアルゲームだった。だが、かつて日本代表にも選ばれていたセントラルハーフは「素直な気持ちは『何も嬉しくない』ですね。失礼になってしまうかもしれませんが…。やっぱりジェフに戻って来て、早くJ1でという気持ちが強かったので。100試合を迎えてしまうことが、嬉しくない。それが素直な気持ちです」と、語っている。

 J1への想いは当然、強い。個人としてもだが、千葉というチームをJ1に戻すことにも、人一倍の想いを抱えている。「個人的にJ1に戻るためにも、ジェフで戻らないといけない。何年もここにいて、100試合を迎えてしまったのは情けない。早く上がりたい気持ちです」。

 昇格するためには、当然、勝ち点が必要だ。同じ昇格を争う湘南から、最後に勝ち点1を取れた。それでも「今、現在はあまり価値のある勝ち点1だと思っていません。勝ち点3を取ることで湘南をひっくり返し、自動昇格にも近づけた」と言う佐藤は、残り3試合に勝つことで、この勝ち点1を意味のあるものにしたい、と言葉を続ける。

「残り3試合で3勝すれば、この勝ち点1が重要になる。そういう意味では、残り3連勝した時点で、今日の勝ち点1が価値あるモノに変わっていると思う。残り3試合、目の前の試合で勝ち点3を取っていきたい。プレーオフを考えることも大事ですが、3試合、3連勝したら何があるかわからないし、何があるかわからないのがJリーグだと思う。そういう意味でも、しっかり次の山形戦に準備したいと思います」。佐藤勇人という一選手が、そして千葉というクラブが、本来いるべき場所に戻るために、目の前の試合に集中する。

(取材・文 河合拓)

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