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[選手権予選]“千葉の技巧派軍団”中央学院が注目FWチアゴの渋谷幕張を延長撃破!:千葉

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[10.27 全国高校選手権千葉県大会3回戦 渋谷幕張 1-2(延長)中央学院 東総]

 第91回全国高校サッカー選手権千葉県大会は27日、3回戦を行い、昨年4強の渋谷幕張と同8強の中央学院との一戦は延長後半6分にFW武田拓真(2年)が決めた決勝ゴールによって中央学院が2-1で勝利。3年連続8強入りを決めた中央学院は11月4日の準々決勝で流通経済大柏と戦う。

 “千葉の技巧派軍団”がJ注目FWチアゴ・ペレイラ(3年)擁する渋谷幕張を沈めた。1-1で突入した延長後半、中央学院はFW高田悠斗主将(3年)が食いついてくるDFを個人技でかわしながら中盤から相手ゴールライン際までドリブル突破。ここでDFに倒されてFKを獲得すると、交代出場のMF市橋弦太(2年)のキックからDF宮川凱多(3年)が右足シュートを放つ。このこぼれ球に反応した武田が右足を振りぬくと、ポストを叩いたボールはゆっくりとゴールラインを通過した。

 ゴールを確認すると「決めるしかなかった。多分DFに当たって回転が変わってポストに当たった。『入れ、入れ』という感じだった。めっちゃ嬉しかった」という武田を先頭に紫のユニフォームがベンチに向かって歓喜のダッシュ。コーチ陣、控え選手とハイタッチしてゴールを喜んだ。渋谷幕張は10分に交代出場のDF吉住航輝が決定的な右足シュートを放つもクロスバー。また11分にも右クロスからチアゴが右足シュートを放つも中央学院の好守の前にシュートは枠から外れた。相手のパワーに飲み込まれかけたものの、中央学院には足技で会場を沸かせる余裕も。緊迫した状況を“楽しんだ”中央学院が反撃をかわし、8強切符を獲得した。

 「プレーしている選手」にも「観戦している人」にも“楽しいサッカー”を展開することが中央学院のモットー。普段から2時間半の練習時間の大半は選手たち全員が「一人一個」ボールを持って徹底したドリブル、リフティング。1年時には30×30mのグリットの中に50人の選手が入ってドリブルするようなトレーニングも取り入れるなど、足元の技術を高めてきた。浜田寛之監督は「素人の子もいる。でもボクが8年間やってきて一人も辞めた子がいないんです」。楽しみながら自分たちの武器を磨いてきた中央学院は、この日もMF小嶋将幸やSB杉沢彦紀がプレッシャーに来た相手をリフティングでいなすと、局面では足裏パスでのスイッチを交えた崩しを見せたほか、高田やFW木曽航平(3年)、MF岸俊介(2年)、武田が次々とドリブルで仕掛けていた。

 渋谷幕張の厳しいプレッシャーやボールを奪ってからのダイナミックの攻撃の前に120分間自分たちのサッカーを貫徹できた訳ではない。時間帯、展開によっては縦パスを狙う場面も、リスクを回避するためのロングボールを使う場面もあった。ただ前半ロスタイムに木曽のアシストから岸が左足シュートを決めると、負傷者や足を攣らせる選手が出ても、交代選手たちがレベルの高い足技を披露。対する渋谷幕張は試合終了4分前の後半36分に、交代出場ながら存在感を発揮していた吉住のラストパスからMF齋藤綱太(2年)が同点ゴールを決める。

 だが、40分に10番MF坂巻翔大(3年)が放った決定的なヘディングシュートは好守を連発していた中央学院GK大塚祐紀(3年)が渾身のセーブ。渋谷幕張は強烈な個性を発揮していたチアゴやMF粟田晋平(3年)、坂巻らがゴールを目指したが、チアゴがシュート10本を放ちながら無得点に終わるなど決定力を欠いた。一方、試合終了間際に追いつかれても「みんなの顔が生き生きとしていた」と高田が振り返ったように、沈むことなく自分たちの特長を最大限に表現していた中央学院が8強へ駒を進めた。

「子どもたちがやっていて楽しいサッカーを」と指導してきた浜田監督は「もっともっとボールを持ちたい。もっともっと精度を上げたいですね」と要求しつつも、強豪撃破に笑顔。高田は「教えてもらった監督、コーチ、支えてくれた人たちへの感謝を『技術で返せ』と言われている。(中央学院の)サッカーは面白い。(準々決勝は)みんな流経が勝つと思っていると思うけれど、ひっくり返すつもりで。気負わず自分たちらしくやれればいい」。準々決勝で対戦する流経大柏は全国総体予選準々決勝で敗れている相手。新鋭はその技術で今度こそ名門の壁を突破する。

(取材・文 吉田太郎)
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