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[MOM673]山梨学院MF山口一真(2年)_“次元違う”MFは2得点も納得せず

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.3 全国高校選手権山梨県大会準決勝 山梨学院6-0甲府城西 中銀スタ]

 “次元の違い”を見せ続けた74分間だった。山梨学院のMF山口一真(2年)は左MFとして先発したこの日、前半8分に先制ゴールを決めるなど2ゴール。本人は「本当に申し訳ない。強い相手になってくれば、もっと決めるべきところを決めないと勝てない」と“2得点に終わったこと”について全く納得していなかったが、それでも最も大きな存在感を見せていた。

「この前の笛吹との試合(準々決勝)で情けなかったので、きょうは決めてやろうと思っていた。笛吹はガチガチで外からのクロスが増えて自分の持ち味のドリブルとかで崩すことができなかった。それを反省してきょうはドリブルでいこうと決めていた。最初から強引にシュートにまで持ち込もうと思っていた」。笛吹との初戦は圧倒的にボールを支配しながら2-0。山口自身も無得点に終わっていた。迎えたこの日、前半8分の先制点の場面は、右サイドでDF2人の間を豪快に破ると、そのままゴール方向へ切れ込んで右足シュート。思い描いていた通りのプレーで強引にゴールを陥れた。

 その後も上体を激しく左右に揺れ動かしながら、シザースで相手の体勢を崩す高速フェイントと、相手をいなすかのような力強いドリブルで違いを見せつづけた。ビッグチャンスでシュートが立て続けに正面を突くなど課題も残ったが、それでも後半9分には会場をどよめかせるパワフルな一撃で2点目。ボールを持てば、スタンドが沸くなど“何かやる”期待感が溢れていた。

 もちろんこの日のプレー、現状に満足はしていない。「自分は今大会目標があって、県大会(3試合で)で6点くらい獲りたいと思っている。笛吹との試合で無得点に終わったので、きょうは貪欲にゴールを狙っていったつもりなんですけど、シュートのキレがなかった。本当ならば決めるべきところを決めきれなくて。芝とかが変わってシュートがゴロになったりした。もっとシュート練習をして、次は2点よりももっと上を狙って行きたいです」と誓っていた。

 周囲の高い評価に対して「まだまだ自分はそんなに上手くない。上を目指して頑張っていきます」と首を振るが、自身の成長を肌で感じている部分もある。「中学の頃はテクニックがあったけど、身体なくて。高校になって身体が段々ついてきたので、テクニックと身体が融合したというか、それで前を向けるようになってきた」。全国でどのくらい通用するのか注目のアタッカー。日本航空との決勝へ向けては「ハットトリックはいつも目指しているし、ゴール獲ることが自分の特長だと思っているので、ハットトリックくらいはしたい」。ポテンシャルの高さは間違いない。注目の一戦でよりインパクトを残して上のステージへ。強気の2年生MFが全国へのゴールをこじ開ける。

[写真]前半8分、山口が先制の右足シュート

(取材・文 吉田太郎)
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