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マンCのような劇的ドラマ!湘南MF永木「ビデオを見たらそうなった」

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[11.11 J2第42節 町田0-3湘南 町田]

 鮮やかな大逆転でのJ1昇格だった。第41節終了時で、3位湘南ベルマーレと2位京都サンガF.C.との勝ち点差は「1」。湘南ができることといえば、まず目の前の町田をくだし、京都の引き分け以下を祈ることだった。

 キャプテンを務めるMF坂本紘司は「勝ち点3をとるしかないと思っていたし、京都のほうがプレッシャーがかかるので、自分たちのほうが有利だと思っていた」と試合後に語った。実際、勝てばよかった京都は甲府から勝利を奪うことができずスコアレスドロー。「バスの中から落ち着いていた」(チョウ・キジェ監督)湘南は、前半2分にFWキリノが先制を決めたことで、落ち着いてゲームを進めることができた。

 ピンチはないけど、チャンスもない。そんな苦しい時間が続いた湘南だったが、左ウイングバックとして豊富な運動量で攻守に顔を出していたMF高山薫が追加点を奪った。「数試合(自分のできに)納得できていなかったので、ゴールで貢献できてよかった。この試合は俺が決めてやろうと思っていました」。得点をあげると雄叫びをあげながら自陣ベンチに駆け寄った。

 スタジアムへの移動のバスの中で、監督はある試合のビデオを流していた。昨シーズンのプレミア・リーグ最終節、マンチェスター・シティvsQPR。シティがロスタイムに劇的な逆転弾を決めて勝利し、ユナイテッドから優勝をかっさらった試合だ。この日ゲームキャプテンとしてボランチで勝利に貢献したMF永木亮太は「シティと状況は似ていた。ビッグクラブでもこういうことがあるんだと思っていたら、実際にそうなった」と試合を振り返った。いわば「奇跡」ではなく、「必然」の逆転劇だった。

 来シーズンからは、3年ぶりに舞台をJ1に移す。「いまの攻撃的なスタイルをぶつけたい」(坂本)。「湘南は注目されないと思うけど、下馬評を覆したい」(高山)。J2で得た自信を武器に、J1の高みを目指す。

(取材・文 奥山典幸)

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