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新人監督が導いたJ1の舞台、チョウ監督「最初から選手を信じていた」

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[11.11 J2第42節 町田0-3湘南 町田]

 1年目の新人監督がチームを再びJ1の舞台に導いた。湘南ベルマーレ率いるチョウ・キジェ監督は、05年から湘南に在籍。ジュニアユースとユースの監督のあとに、反町康治前監督の元でトップチームのアシスタントコーチを経験し、反町監督退任を受けて、トップチームの監督経験がない中でチームを託された。
 
「主力がいなくなって、湘南はどっちに行くんだろうとみなさんが思われているなかで、僕が監督になって選手も不安だったと思います。でも選手プロフェッショナルな姿勢でやってくれた。そのことを誇りに思う」

 ベテラン選手がチームを去り、試合経験の少ない若い選手が多くなった。この日のスタメンの平均年齢も24.09歳で、最年長のGK阿部伸行でも28歳だ。新人監督と若い選手。それでも1年でJ1昇格をはたすことができた。「監督は選手の特徴を活かすサッカーをやらなければいけないと思っているので、最初から選手もシステムも信じていました」。そんな監督の信頼に、「昇格したいと本気で取り組んだ」選手たちは見事に結果を出した。

 しかし、「監督としては欠落しているかもしれないですけど、内容より結果を重視している」チョウ監督にとって、3-0とはいえ、ミスも多かったこの日の試合内容には不満が残る。

「理想は自分たちが目指すスタイルを完遂すること。僕はブンデスリーガが好きなんですが、ドルトムントは(香川)真司が抜けたり、マルコ・ロイスが入ったり、それでもクロップ監督は(スタイルを)継続している。ベルマーレは(ドルトムントの)足元にも及ばないけど、そういうチームだと思っている」

 前回J1に昇格した10-11シーズンは、わずか1年で降格という屈辱を味わった。「コーチのときに経験していますし、J1の厳しさはわかっています。喜んでばかりはいられないので、今日は喜んで、明日からか明後日からかわからないですけど、来季に向けてやっていきたい」。湘南スタイルを貫きつつ、J1定着を目指す。

(取材・文 奥山典幸)

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