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[選手権予選]山村決勝FK弾!“福岡のタイガー軍団”東海大五が2連覇!!

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[11.11 全国高校選手権福岡県大会決勝 筑陽学園1-2東海大五 レベスタ]

 第91回全国高校サッカー選手権大会の福岡県大会決勝戦が11日にレベルファイブスタジアムで行われ、東海大五高が延長戦の末に2-1で筑陽学園を下して2年連続14回目の全国大会出場を決めた。サンフレッチェ広島に所属するDF西岡大輝の弟で東海大五の主将を務める西岡大志は「相手の粘りに苦しんだけど、絶対に自分たちが勝つと信じていた。昨季は全国大会で悔しい思いをした。あの悔しい思いは、大きな財産になった。今度は絶対に勝つ」と国立競技場での開幕戦で敗退した昨季を越える、全国での快進撃を誓った。

 試合は序盤から激しい攻防が続いた。筑陽学園はアビスパ福岡入団内定のFW金森健志がラストパスを送り、チャンスを演出。金森は24分に中央から左前方に走ってバイタルエリアでパスを受けると、くるりと体を回転させて右足でカーブをかけたシュートを狙う技ありのプレーを見せるなど、実力の高さを随所にうかがわせた。対する東海大五は西岡のミドルシュートなどで対抗。筑陽学園は33分にFW大塚槙が負傷で交代するアクシデントに見舞われたが、攻勢を続けた。それでも東海大五の守備の出足は鋭く、徹底抗戦。そして前半終了間際、右CKからパスをつないだこぼれ球を右DF新保滉がプッシュし、東海大五が貴重な先制点をもぎ取った。

 後半、東海大五がアクシデントに見舞われた。7分、相手CKに飛び出したGK鈴木光が頭を打ち、そのまま交代。それでも、直後にドリブラーの中山一毅を左サイドへ投入すると、そこから得意のサイドアタックを展開。24分には安藤瑠偉が右サイドをえぐって送ったクロスをファジアーノ岡山入団内定のFW小林秀征が合わせたがゴールの右にそれた。小林はその4分後に右サイドからのパスを受けて左足のミドルシュートを放ち、クロスバーに嫌われる惜しいシーンも作り出した。

 次第に東海大五の勝利が濃厚となりつつあったが、筑陽学園は終盤に反撃に出た。33分、MF松崎継利のミドルシュートがクロスバーを直撃。そして40分、後半終了間際に相手のクリアで高く舞い上がったボールを松崎が思い切ってボレーで狙うと、シュートはゴールのニアサイドへ飛び込み、劇的な同点弾となった。

 小雨が降り始めた延長戦も一進一退の攻防が続いたが、勝負を分けたのは、セットプレーだった。東海大五は延長前半10分、CB山村欣也が自ら「えげつない」と話した右足の直接FKが鮮やかに決まり、勝ち越しに成功。そのまま筑陽学園の攻撃を封じ切り、栄冠を勝ち取った。大丸忠監督は「互いに魂を持ったチーム同士。何があっても動じるなと話していた。競り合いで負けたり、プレスバックがなくなったりすれば、相手の金森君にボールが入って、そこから相手の攻撃人数が増えて来る。競り合いでは絶対に逃げるな、顔から行けと言った。攻撃は、しっかりとつないで攻撃する部分をできたのが良かった。最後のFKは練習通り。あいつのFKは結構入るので、自信を持ってやれるようになってきていた」と真っ向勝負を制した会心の勝利を振り返り「国立でもう一度やりたいという気持ちでやってきた」と、全国の舞台での再挑戦に早くも闘志を燃やした。昨年度は開幕の国立で緊張感に縛られ、持ち味を発揮できなかった。全国で今度こそ――福岡が誇る黄色と黒のタイガー軍団が価値ある勝利を物にし、日本一への再挑戦に名乗りを挙げた。

(取材・文 平野貴也)
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