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[フットサルW杯2012]「あっという間だった」と振り返るFPカズが与えてくれたきっかけ

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[11.11 フットサルW杯2012 ウクライナ6-3日本 フアマーク]

 初の決勝トーナメント進出を果たしたフットサル日本代表は、11日にウクライナ代表と対戦した。ベスト8を目指して戦ったが、前半に6失点を喫してしまう。後半に入るとパワープレーから3点を返したが、逆転することはできずに、ベスト16での敗退が決まった。

 9月下旬に始まった日本代表合宿から、横浜FCの活動と並行して、フットサルをプレーしていたFP三浦知良の挑戦も、ここで終わることとなった。45歳の肉体に大きな負担を掛けながらプレーしたカズだが「あっという間だったね」と、再び日本代表の一員として戦った日々を振り返った。

「約1か月間、自分なりにあらためて日本代表の日の丸という重みを感じながらできたことは、また素晴らし経験を一つさせてもらった。日本代表というのは、重いなぁとあらためて感じました。当然、フットサルの競技の厳しさも知りましたし、楽しさも、面白さも経験しました。自分に素晴らしい仲間もまたできましたし、本当に良い経験をさせてもらいました。決勝トーナメント進出が目標でしたが、いざ突破して『絶対にベスト8』という気持ちで今日はピッチに立ったので、それは本当に残念です」

 今回の経験から、自分がフットサル界に何ができたか。そう聞かれたカズは「それは、今の時点では分からない」と言う。だが、多くのメディアをフットサルW杯の取材に呼び、かつてないほどの注目を集めたのは、カズの力が大きかった。これが今後、どう日本のフットサル界につながっていくかが大事だが、種を撒くことはできたのではないだろうか。試合後のミックスゾーンで、当初、カズの取材でタイに来ていた一般紙の記者が「いろんなスポーツを取材して来たけど、こんなに丁寧にしゃべってくれる選手たちは、初めてだよ。日本の宝だね。今後も彼らの活躍を追いかけていきたい」と、敗戦を悔しがりながら話していた。

 カズをきっかけに、フットサルを知った人が今後もFリーグやフットサル日本代表の活動に注目してくれれば、大きな動きになるだろう。

「なんとかベスト8に行きたかったな。フットサル選手、関係者はもっとその想いが強かったと思う。僕が自分の力で連れて行くのは難しかったけど、そういう舞台に行きたかったな、というのが、終わった瞬間の感想です。でも、後悔はしていないですし、今日これで負けて2012年のフットサルは終わりましたが、日本のフットサルにとっては新たな出発だと思う。こういう経験をすることで分かることもあると思いますから」

 世界の舞台で勝つためには、ひとつひとつ、日々の積み重ねが大事になってくる。フットサルを知らなかった人たち、そしてフットサル界にも、大きなきっかけを与えてくれたカズ。彼が2012年に行った挑戦が、成功だったのか、失敗だったのか。それを決めるのは、この大会に参加した一人ひとり、大会を見た一人ひとり次第なのではないだろうか。

(取材・文 河合拓)

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