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[フットサルW杯2012] 4戦目で出場機会を得たGK冨金原「W杯の大きさを感じた」

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[11.11 フットサルW杯2012 ウクライナ6-3日本 フアマーク]

 待望の出場機会は、思わぬタイミングでやってきた。0-6で迎えた後半、日本は速い時間帯からパワープレーを仕掛ける。FP小曽戸允哉(バサジィ大分)がGKのピンク色のユニフォームを着て準備をすると同時に、交代ゾーンにはもう一人、ピンク色のユニフォームを着た選手が立っていた。今大会、ここまで出番のなかったGK冨金原徹(デウソン神戸)だった。

 ミゲル・ロドリゴ監督は、ここまで絶対的な守護神として起用してきたGK川原永光ではなく、小曽戸と冨金原を併用することに決めた。その理由について、2点挙げた。

「パワープレーの時間が長くなったため、機動力のある冨金原を起用したかった。また、彼は正確なスローを持っている。それもチームにとってのメリットになると感じていた」

 交代のタイミングの難しさについて、FP三浦知良 (横浜FC)はその難しさをこれまでに何度も語って来たが、小曽戸と冨金原は実にスムーズに交代をしていた。ウクライナ戦の2日前に「出場できれば活躍できる確信はある」と語っていた冨金原は、その言葉通りのプレーを見せた。後半4分には正確なスローからFP星翔太(バルドラール浦安)のシュートチャンスを演出、同14分には相手の決定機を体を張って阻止するなど、攻守にわたって活躍した。

 逆転することはできなかったが、冨金原は出場機会を与えられたことに感謝した。「このW杯に出場しているみんなは、いろんな人の想いをピッチで表現できたけれど、試合に出られていないと声の部分、サポートの部分しかできない。そういうもどかしさがありました。こういった展開の中でしたが、ピッチに立って、体で表現できたことは、個人的にはすごく良かったと思います。ただ、勝ちたかったという思いが強いので、その点に反省点もありますし、悔しい部分が大きいです」と、振り返った。

 このW杯に参加できたことで、より具体的に目標を描きやすくなったと語る。

「今までも代表に選ばれる意識はありましたが、W杯がどういうものかは話や映像でしか知ることができませんでした。でも、こうやってチームの一人として戦ってみて、W杯というものの大きさを感じましたし、やはり『そこを目指して』というとおかしいですが、そこは意識して、これからのフットサル人生を過ごしていきたいです。そういう想いが、このW杯で芽生えました」

 正GKとして日本のゴールマウスを10年以上も守り続けるGK川原永光(名古屋オーシャンズ)は、今後も代表に残り、定位置争いを激化させたいと語った。日本代表の16強進出の立役者の壁を冨金原が乗り越えたとき、それは日本代表がもう一歩、世界の強豪に近づいた証にもなる。

(取材・文 河合拓)

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