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首位広島から勝ち点3を奪った浦和MF梅崎「成長は感じている」

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[11.17 J1第32節 浦和2-0広島 埼玉]

 浦和レッズのMF梅崎司が2度目のチャンスをものにし、首位を沈める原動力となった。

 この日、MF柏木陽介の負傷離脱にともない、浦和の攻撃のポイントとなるツーシャドーの一角として先発。スピードあふれるカウンターから、幾度となくチャンスをつくり出した。

 前半33分にはMFマルシオ・リシャルデスから出たボールに反応しGKと1対1を迎えるも、「思いっきりファーを狙った」シュートは、日本代表GK西川周作にセーブされてしまった。

 しかし、その8分後にも梅崎に決定機が訪れる。自陣からボールをつなぎ、MF鈴木啓太がドリブルで敵陣に侵入。「逆サイドが空くことはわかっていた」(鈴木)という狙い通り、右サイドでフリーになっていた梅崎にスルーパスを通した。絶妙なトラップから放った右足シュートに、日本代表GKといえども為す術はなかった。

「(原口)元気が(相手を)つってくれた。いいトラップができて、ニアを狙った。(前半33分のシュートが)伏線になったかも」

 梅崎のトラップに置き去りにされたサンフレッチェ広島のDF水本裕貴も絶賛する。「(梅崎をフリーにしたのは)寿人さんがGKにプレスに行って、(自分が)右に引っ張られていた。パス、トラップ、シュート全部よかった。トラップがもう少し長かったら止められた。足りなかったのはくやしい」。

 チームは開幕戦(0-1)で敗れた相手にリベンジをはたすことができた。「後ろからビルドアップできるようになったし、数的優位をつくったり、ワンタッチでつないだり。中(にパス)を通したり、ダメならサイドに通したり。(8か月経って)成長は感じている」。

 残留争いを演じていた昨シーズンから一転して優勝争いを演じている浦和だが、終盤に失速。ようやく、5試合ぶりとなる勝ち点3を手に入れた。残り2試合で首位広島との勝ち点差は「6」に縮まり、優勝の可能性は残しているものの、広島に「20」離されている得失点差を考えると優勝の可能性は限りなく低い。チームの目下の目標はACL出場権を獲得できる3位だ。勝ち点が並んでいる4位名古屋グランパスも勝利したため、優勝争い、残留争いとともに、3位争いも混沌としている。

「この試合と同じくらいの気持ちで、ACL(出場権)をとるために必ず勝つ」とワントップとして奮闘したFW原口元気も意気込む。名古屋との得失点差も考慮すると、残り2試合はできるだけ多くの得点を奪っての勝利が必要となる。浦和が5年ぶりにACL出場権を獲得するには、若きアタッカー陣の活躍がカギとなる。

(取材・文 奥山典幸)

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