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大分が4年ぶりJ1復帰!!終盤の劇弾で千葉を下しプレーオフ制す

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[11.23 J1昇格プレーオフ決勝 大分1-0千葉 国立]

 J1昇格プレーオフの決勝が23日、東京・国立競技場で行われ、J2年間6位の大分トリニータと年間5位のジェフユナイテッド千葉が対戦した。大分は後半41分に途中出場のFW林丈統が劇的な決勝点。1-0で競り勝ち、最後の昇格切符をつかみ取った。大分は4年ぶりのJ1復帰。今季のJ2からは甲府、湘南、大分の3チームが来季のJ1に昇格する。

 大分は18日の準決勝・京都戦(4-0)から先発一人を変更。MF永芳卓磨に代わって前・千葉のMF村井慎二が先発した。千葉は18日の準決勝・横浜FC戦(4-0)と同じ先発メンバーで臨んだ。
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 引き分けでもJ1復帰となる千葉だが、立ち上がりから積極的な入りを見せ、試合の主導権を握る。前半5分、高い位置でMF谷澤達也が大分DF土岐田洸平からボールを奪うと、最後はFW米倉恒貴が左足ミドルを狙ったが、GKがキャッチ。同7分にもDF阪田章裕から土岐田へのパスミスを谷澤がインターセプトし、自らそのままミドルシュートを放つが、ゴール上に外れた。

 序盤からミスが目立つ大分は前半10分、左CKからショートコーナーでつなぎ、FW森島康仁がエリア外から左足で狙ったが、枠を捉えられない。千葉は同13分にも大分のGK丹野研太と土岐田の連係ミスを突き、こぼれ球を拾ったDF渡邊圭二の左クロスから米倉がヘディングシュート。決定的な形だったが、GK丹野がビッグセーブを見せる。このプレーで獲得した左CK。MF兵働昭弘のキックから逆サイドのDF山口智がフリーになったが、シュートは大分守備陣が体を張ってブロックした。

 千葉は再三の好機を得点に結びつけることができず、試合はこう着状態に入る。大分は前半25分、左サイドからMFチェ・ジョンハンのアーリークロスにファーサイドの森島が渡邊の上から打点の高いヘディングシュートを放つが、ゴール右へ。千葉も同37分に絶好の位置でFKのチャンスをつかむが、兵働のキックはGK丹野が鋭い反応でCKに逃れる。谷澤の右CKには山口智がダイビングヘッドで合わせたが、枠を捉え切れず、前半は0-0のまま折り返した。

 J1昇格のためには勝つしかない大分は徐々に攻勢を強めていく。後半3分には村井のドリブル突破から森島が左足でミドルシュートを狙うが、GKがキャッチ。何とか1点を奪うべく千葉陣内に攻め込むが、今季のJ2で最少失点を誇り、公式戦4試合連続無失点中の千葉守備陣をなかなかこじ開けられなかった。

 大分は後半28分、FW木島悠に代えて元千葉のFW林丈統を投入。まずは最初のカードを切り、先に動いた。同30分にはチェ・ジョンハンの左クロスからこぼれ球を村井が左足で狙うが、ゴール上へ。左サイドでチェ・ジョンハンが起点となり、チャンスをうかがうが、千葉も最後のゴール前では体を張り、大分の攻撃を跳ね返した。

 試合は0-0のまま終盤に入り、1点をめぐる攻防は激しさを増す。大分は後半33分、森島がPA内左45度から左足で際どいシュートを放つが、わずかにゴール右へ。千葉も同35分、FW藤田祥史が振り向きざまに左足でミドルシュート。しかし、これもGK丹野が好セーブを見せ、ゴールを死守した。

 大分は後半39分、土岐田に代えてFW高松大樹を投入。攻撃の枚数を増やし、最後の猛攻に出た。千葉は同41分、藤田に代えてFW荒田智之をピッチに送った。すると、その直後だった。大分は中央でボールを受けた森島が千葉の最終ラインの背後へ浮き球のスルーパス。オフサイドラインをぎりぎりでかいくぐった林が抜け出すと、前に出てきたGK岡本昌弘の頭上を越すループシュートでゴールネットを揺らした。

 土壇場で奪った値千金の先制点。追い込まれた千葉は後半43分、MF佐藤健太郎に代えてFWオーロイを投入し、同点ゴールを目指す。一方の大分はMF宮沢正史に代えてDF若狭大志を入れ、1点を守りに入った。千葉が同点に追い付けば、千葉の昇格。大分が1-0で逃げ切れば、大分の昇格。ロスタイムの5分間は、攻める千葉、守る大分という構図になったが、大分が執念で1点を守り抜き、1-0で競り勝った。大分は4年ぶりのJ1復帰。千葉はまたしてもJ1復帰を逃した。

(取材・文 西山紘平)

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