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決意の千葉復帰も敗戦のMF谷澤「昇格が見えて、あの一発を食らった」

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[11.23 J1昇格プレーオフ決勝 大分1-0千葉 国立]

 J1のFC東京でレギュラーとして試合に出場しながらも、古巣をJ1へ昇格させるために、MF谷澤達也ジェフユナイテッド千葉に復帰した。リーグ戦を5位で終え、プレーオフ1回戦では横浜FCに4-0と快勝。迎えたプレーオフ決勝も0-0で残り時間は4分を切っていた。このまま試合を終えれば、谷澤が目標に掲げていた『J1復帰』は実現できた。

 しかし後半41分、千葉が選手交代を行った直後のプレーだった。FW森島康仁からのパスで最終ラインを破られると、FW林丈統にゴールネットを揺らされてしまう。前線の選手が交代した瞬間、誰がどこにプレスを掛けに行くかを確認しきれず、一瞬の隙を突かれた。「交代直後だったので、本当に悔しい」と、谷澤は唇を噛む。

 千葉もチャンスがつくれなかったわけではない。むしろ前半は主導権を握っていた。5分には谷澤が相手ボールを奪い、MF米倉恒貴にスルーパスを出し、最初の決定機をつくっている。その後も同7分には相手DFのクリアーボールを拾った谷澤がシュートに持ち込み、同37分にはCKから、DF山口智のヘディングシュートを演出した。多くのチャンスに絡んだ谷澤は「リズムは悪くなかったし、最後の精度が足りなかったのかなと思います」と振り返る。

 前半は主導権を握り、チャンスをつくっていた千葉だったが、後半は戦い方が難しくなったと谷澤はいう。

「前半は勝ちに行く意識でやれていたので、うまくゲームコントロールできました。でも、後半は引き分けでもいいという思いが出てしまい、うまくコントロールできなかった。勝たなければいけない相手は、前から来ます。そういう相手をかわせるような強さが、まだまだなかった。少し(昇格が)見えてしまったことで、あの一発を食らったんだと思います」

 林の一撃に沈み、千葉の4年ぶりのJ1復帰は夢となった。「やっぱり上がらなければいけなかったと思うし、今年は特にそういう気持ちで来ていたし、もったいない感じがする。もっともっと強い気持ちをみんなが持たないといけない」と悔やむ谷澤は、チームの課題を指摘した。

「千葉に戻って半年プレーして、ゲームをコントロールする力が足りないと感じました。90分を通して、勝つ戦い方をみんなが理解しないといけないと思います」

 千葉をJ1に昇格させるという目標を達成できなかった谷澤は、今シーズン見えた課題の克服に務め、来シーズン、再び千葉とともにJ1昇格を目指す。

(取材・文 河合拓)

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