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「どう喜んでいいのか…」、林は古巣・千葉相手の決勝点に複雑な思いも

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[11.23 J1昇格プレーオフ決勝 大分1-0千葉 国立]

 大分トリニータを4年ぶりのJ1復帰に導く決勝点を決めたFW林丈統にとって、J1昇格プレーオフの2試合はいずれも古巣相手の試合だった。準決勝で対戦した京都、決勝で最後の昇格切符を争った千葉。どちらも、かつて林がプレーしたチーム。特に千葉は滝川二高を卒業後、プロになった99年から05年まで7年間所属し、千葉がJ2に降格した10年からも2年間、計9シーズンを過ごしたクラブだった。

「2試合とも複雑だったけど、今日はすごい複雑だった」。そう語る林は「できることなら千葉とやりたくなかった。(対戦が)決まったときはいろんな思いがあった」と、その胸中を明かす。

「3年前、ジェフがJ2に落ちたときに帰ったけど、2年間、(J1に)上げることができなくて……」。自分自身がプレーした10年、11年で千葉をJ1昇格に導けず、今度は敵として千葉のJ1復帰の夢を打ち砕いた。「千葉相手に点を取ってしまったので、どう喜んでいいのか……。今でもジェフのことが好きなので」と声を落とした。

 試合後も千葉の選手とは「あえて話さないようにしました」という林。大分のチームメイトで、やはりかつて千葉でプレーしていたMF村井慎二からは「オフに千葉に帰れないね。千葉の街を歩けない」と言われたというが、大分のJ1復帰を喜びながらも最後まで複雑な表情を浮かべていた。

(取材・文 西山紘平)

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